イビサ島滞在記(未発表分)

イビサ島滞在記(未発表分)

昨年夏、イビザ島訪島メモ(未発表分)

以下~

 

イビサは僕にとって現状の外側でした。経由地のバルセロナは、まだまだ現状の内側感満載でしたがイビサは違いました。空港で少しばかり韓国人を見かけただけで、それ以外は全員西洋人!完全アウェイでした。

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空港から車で飛ばすこと30分。穏やかな林の中にある、フィンカというお屋敷に泊まりました。この建物はスペイン人の医師が所有しており、実際に精神科のクリニックとして使われていたそうです。私の部屋の近くの書斎にも、英語、スペイン語、その他のヨーロッパ言語の本がびっしり。そこにいるだけでも日常とは全く違う臨場感で、かつて米軍兵士や世界中の船乗りと一緒に仕事をしていた感覚、英語脳の体感を思い出しました。実際に、急に英語が上手くなりました。その時の記憶にアクセスできたのでしょう。一瞬で別世界に飛びました。また、日本から一緒に訪問したアーティストが、いろいろと私が知っている世界の外側に連れて行ってくれました。私が知る世界は小さな一部だということを教えてくれました。

 

外にはプールが備えてありました。日本のような塩素が入った水ではなく、現地のとてもきれいな井戸水がくんであるプライベートプールです。プールサイドには、オシャレなパラソルとテーブルと椅子があり、そこでイビサの塩を使ったチップスと地ビール、ワインで乾杯しました。このチップスと地ビール、ワインは近所のスーパーから調達してきました。その店には現地と、スペインのクオリティの高い、よい食材がセレクトしてありました。厳選された食材を扱うスーパーです。お土産を買うのも、空港の売店ではなくこちらがおススメです。日本ではおそらく数千円して、ワイン好きな人であればたまらなくなるようなワインやカバが、800ユーロ(960円くらい)で購入できました。

 

スーパーで購入した野菜でサラダやカレーを調理してもらいました。実のところ僕は野菜が苦手です。だけど、イビサでは何の抵抗もなく食べることができました。それほど、美味しいからです。

 

美味しい繋がりでは、フィンカの近く、歩いていける距離にヒッピーマーケットがありました。道中、マンガに出てきそうなほどの大きなサボテンがあったのは笑撃を受けました。世界はサボテン一つとってもスケールが違います。箱庭の球場とは規模が違います。このピッピーマーケットで、古代小麦でつくったケーキを頂きました。古代小麦というのは初めて知り、不思議な食感でしたがとても美味しかったです。なお日本で売っている古代小麦とは根本的に質が違い、日本では絶対に味わえない味だそうです。かつ日本に比べて良質な食材が圧倒的に安いらしいです。裏を返せば日本では、それだけコストが掛るということです。

ヒッピーマーケットでは、一緒に日本から来た方の衣装選びに通訳として参加しました。いろいろな色鮮やかなヒッピーの服が売ってあり、男性の私でも見ていて楽しかったです。また普通に女性が水着で闊歩するという不思議な光景を目の当たりにました。この地では男性が女性用の水着を着ても合法らしいです(笑)さすが地上の楽園です。ちなみに、斎藤くんもどう?と、ご提案頂いております(笑)

 

他には、Cala Comteビーチに連れて行ってもらいました。僕たちが訪れたのは夕方で、夕日が沈む瞬間に人々が歓声と拍手をするというとても幻想的な一幕でした。日本とは違い、感情を素直に出して、楽しいと感じたら、心の底から楽しむという当り前さを大自然より思い出させられました。今思えばこの瞬間とシンクロして、古い自分が壊れたのかもしれません。

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そのすぐ後に、ダルトヴィラという旧市街地に連れて行ってもらいました。昔のヨーロッパの街のただづまいを残しており、石造りからなる歴史を感じさせる街並み、何百年も前につくられた家々が、今も現役で使われているという点に驚きました。ドラゴンクエストのダンジョンを彷彿とさせます。ふと耳を澄ますと、なんだか勇ましい演奏が。実はこの日にキリスト生誕に関するお祭りが執り行われており、夜中にも関わらずにマーチングバンドが『甲子園球場かよ』ってくらいの勢いで練り歩いていました。多くの人々がその後を付いて歩いていました。中には驚くべきことにベビーカー同伴で。どうやらここでは大人が一番楽しむようです。日本の常識は世界のたった一部分でないことを痛感させられました。そして着いた先は教会。曲はそこで盛大なクライマックスを迎えていました。残念ながら私は見ていませんが、教会の中に入った方によれば、最後の瞬間は圧巻で、そこにいるだけで涙が出てきたそうです。ものすごい場の力です。

 

別の日には、あるファミリー主催の誕生パーティーに誘って頂きました。どうやらイビサでは、規模の大小、お金の有無に関わらず、至るところでパーティーが催されているようです。菜生さん達が現地で知り合った方々らしく、一般のツアーでは絶対に体験できない人との繋がりです。イビサではいろいろなコミュニティ同士、お互いの価値観を尊重しているそうです。なぜならば、人々が人生を楽しんでいるので、不満から他人を引きずり下そうという発想とは無縁だからみたいです。移民も多いらしく、仲良くなるためにはパーティーが一番なのかもしれませんね。小学校はインターナショナルスクールのような感覚であり、イスラエルの子どもと、パレスチナの子どもが机を並べて学習しているとのこと。大人の世界での対立も、子どもの世界には関係ないことのようです。世界平和をゴールにしている人は、実際にこの光景を目に焼き付けに行った方が良いと思います。そこに本物があります。

 

パーティーではイギリス人、インド人、日本人が食卓を並べて談笑して自分でいうのもなんですが、とても微笑ましい光景でした。食事も持ち寄りで、ヘルシーで美味しいフードを頂きました。おかげで、日本に返ってからしばらくは、日本食以外の料理がマズク感じられるほどでした(笑)

 

 

パーティーの最中に仲良くなったイギリス人の高級車に乗せて頂きました。約50年前の車とは思えないくらいに現役バリバリで動き、内装も外装も木が多様に使われており重厚そのもの。日本車のプラスチックだらけの内装とは全く違う印象でした。この車で実際にドライブに連れて行ってもらいました。運転している時は、目の前の道路しか見えていませんでしたが(笑)運転してもらうことで、イビサの大自然溢れる景色を堪能できました。

 

そんな感じで、あっという間に帰国の途に就く日がやって来ました。帰国前に、クラブパーティーに連れて行ってもらいました。さすが世界的なクラブイベントは想像を絶していました。ガイドブックには載っていないスケールです。会場は広く、一瞬『このお城みたいな場所はどこ?』と思いました。ダンスフロアは入口(というよりは門)から一番奥に位置していましたが、そこに着くまでの外側の通路の間に、デッキチェアやソファが並び、なんとベッドまでも。そこで人目をはばからずに愛を語り合うカップルたちの光景が微笑ましかったです。せっかくなので、日本から同行した方がベッドで横になるという艶やかな写真を撮ろうと思い、隙を伺っていましたが、残念ながら人気の場所だったらしくなかなか順番が回って来ませんでした。なので、妥協してボールが敷き詰められたお風呂でのシーンに切り替えました。きっとどこかで日の目を見ることでしょう。自分でもいい仕事をしたと思います(笑)

 

ダンスフロアでは、人々から日本とは比べものにならない、奥底から湧き上がる物凄いエネルギーを感じました。別の記事でも書きましたが、皆さん本気で遊んでいました。僕のような盆踊りみたいなダンスではまだまだみたいです。一方で、一緒にいた方の田植えを彷彿とさせるダンスが東洋の神秘として現地で尊敬の念を集めたそうです。謳って踊れる日本人の前では、欧米人もイチコロです(笑)

 

そんなこんなで、イビサでの早すぎる3日間が過ぎました。

 

そして、ここからが本番です。日本に帰って来てからの気づきが凄いです。以前上げた恋愛観(http://goo.gl/SO0RIE)とは別に日本にいる限りは、日本の常識に洗脳されているということを体感しました。

 

例えば、お金で本質的には幸せはなれないということ。とかく日本にいるとお金がないと幸せに慣れないと思いがちです。しかし、イビサの人々は、人によっては平均的日本人より所得が少ないにも関わらず、みな底ぬけて幸せそうでした。実際に、必要最小限度の経費を除いて現地ではあまりお金を使いませんでした。それは日本型資本主義を離れて、広告や宣伝のない世界に身を置いたからだと思います。モノを買わなくても目の前の世界を見ているだけで幸せでした。この経験から、私たちが追い求めている『幸せ』とは、外部から仕掛けられ、そう思わされている可能性が高いということに気が付けました。

 

繰り返しますが、この感覚は日本にいる間には、なかなか気が付けません。上のことは本を読んで知っているつもりでしたが、実際に現地に行って体感すると全然違いました。『百聞は一見に如かず』です。日本の常識は世界の常識の小さな一部分。だけど、国民の多くは、その常識こそが真実だと思って、そこに臨場感を感じて生きています。そのためにもっと活躍していい潜在能力の高い人が、常識という波にさらわれて漂っています。人によっては命さえ失っています。とてももったいないことです。

 

この関連で、かつてインドで狼に育てられた少女の話を思い出します。少女は狼に育てられ、その後人間に捕獲されました。少女は普段から四つん這いで歩き、狼のように吠えていたそうです。これも少女にとっては、自分が狼としての臨場感に生きて来たからに他なりません。他の人が見れば明らかに人間だけど、当の本人達は狼と感じているのです。これはつまり多くの方々が物凄い潜在能力を持っているのに、当の本人が上の少女みたく、全くそのことに気が付いていないという意味です。気付くには、日ごろとは違う世界に身を置いてみる必要があります。そこから初めて五感から体感できます。これこそが臨場感なのです。

 

かの元祖コーチであるルータイスは 『人間は、本当の真実ではなく、自分が真実だと考えていることに基づいて行動する』と言いました。全くその通りです。

 

私もコーチをしており、本を読んだり、クライアントさんにとっての真実が変わるのを目の当たりにて激変していくのを見たりして分かっているつもりでしたが、所詮つもりでした。イビサで初めてスコトーマ(心理的盲点)が外れました。コーチとしての自分自身の真実、臨場感が書き換わったのです。日本の中の常識しか知らない(その臨場感しか知らない)コーチとしての自分では、破ることの出来ない壁を破ったと振り返ります。イビサではたった3日しか滞在しませんでした、大きく世界観が変わりました。

 

また変にコーチングにこだわる感覚もなくなりました。もっと視点(抽象度)を高く。その結果、いろいろとスコトーマが外れて、セッション自体の質が上がったという面白い感覚もあります。

 

これはコーチに限らず、どのような職種、業種の方にもプラスにしか作用しません。21世紀を世界という視点から切り拓いていく、志の高いあなたもデプログラミング(脱洗脳)を感じる旅に出てはいかがでしょか。