やっとコーチング理論を一周回せました

理論を一周回す。

※この言葉は福岡のIコーチの造語です。

 

私もやっとコーチング理論を一周回せた気がします。

 

そして気が付いたことは、

 

I×V=R

 

想像×鮮明=現実

 

ということです。

 

余りにも有名な公式で、基本中のキホン。

「おまえそんなことも知らなかったのかよ!」と、お叱りを受けるかもしれません。

『認定コーチでなかったけ?』と言われそうですが、ようやく腑に落ちました。

 

もちろん意味や、感覚としては知っているつもりでした。でも、あくまでもつもりでした・・・。

 

2007年から、この理論に触れてきて苦節9年。やっと『あーこれか』と肚落ちた今日この頃。

 

コーチングに限らず皆、めいめいが臨場感(sense of reality)を覚える世界に生きている。実際にセッションを通じて、臨場感が変わって激変したクライアントさんはいます。私も同じくです。

 

ゆえに、それらの経験と本を読んだだけで知った気になっていたのかもしれません。

 

大きな決め手は海外に出てみたおかげです。全く違う常識の世界に身を置いて体感しました。

 

例えば、日本では経済的に苦しく、残念ながら年間約3万人余りの方々が自らの命を絶っています。

しかし、先日訪問したスペインは日本より失業率がもっと高く、日本より経済的に苦しいハズです。しかし、ともかく人びとは明るく自殺率は日本より圧倒的に少ないです。

 

それは異文化だからと一蹴されそうですが、それこそが臨場感。

 

このご時世、日本では多くの方が貧困に陥ると絶望を感じると思います。

誰が仕掛けたのか知りませんが、そういった臨場感があるように思えます。

 

一方で、スペイン人を見ている限りは、『まあ、貧しくても仕方ないか。とりあえずカバで乾杯して、歌おうかセニョリータ』みたく明るい雰囲気でした。

 

スペインはヨーロッパなので階級は日本よりも固定化されているハズです。だけど、ある意味、皆明らめています。

宗教の影響だと言う方がいるかもしれませんが、これが臨場感。

 

また、かつて仕事で、日本国内でフィリピンの方々と付き合いがありました、彼らは日本人より圧倒的に貧しいです。

経済も日本の方が断然うまく回っています。それゆえ、世界各国に外貨を稼ぎに行きます。彼らも謳って踊って楽しそうでした。

 

『日本人は、僕らと比べて断然リッチなはずなのにそんなに暗いの?』と質問されて答えに窮していたのを覚えています。

 

人生は楽しむためにあるのにunbelievable!と怒られました。

 

今振り返れば、それも臨場感の違いです。

しかし私が仕事をしていた場所が日本だったゆえ、日本の臨場感にドップリと浸かっていたので気が全く気付けませんでした。

 

日本人、スペイン人、フィリピン人と人種は違えど同じ脳を持った人間。住む場所や文化、とくに言語が違えば全く違った世界。

 

その地域で話されている言語により形成された思考様式、文化や環境が○○人という臨場感をつくっています。

『言葉が世界を創る』です。

 

物理的な身体ではなくあたまの認識。具体的には、日本社会の臨場感に疑いもなく浸っているから日本人、スペイン社会に使っているからスペイン人、フィリピン人のような気がします。

 

繰り返しますが、ポイントは疑うことなく、当たり前の世界として、鮮明に感じるです。

 

人生に対する感じ方でも同じ。日本は、人生とは辛く苦しいモノ、耐えて忍んで、歯を食いしばって耐え抜くべきという臨場感が強いような気がします。

誤解があるといけませんがスペイン人、フィリピン人は、そこまで耐え忍ぼうとは思っていないでしょう。どちらかと言えば、もっと楽しもうぜ系です。あくまでも私の主観ですが。

 

これこそI×V=R。各々が生きる社会に合わせた自己イメージに臨場感を覚えるから現実なのです。幻想の世界です。

 

他の例として、お金もちと貧乏な人を引き合いに出しましょう。

 

お金がある人は、自分はお金があるという(自己)イメージに対して疑いのない臨場感を覚えているから金がある。一時的に、お金が減った時は、『やべえ!』と無意識が感じて、すぐにお金がある状態に戻します。

 

反対に、貧乏な人は、自分は貧乏だという(自己)イメージの臨場感が強い。お金が貯まったら、『やべえ!』と無意識が感じて、浪費をしてすぐに貧乏な状態に逆戻りなのです。宝くじが当たって倒産する人の例はまさにこのパターンです。

 

実にシンプルで、もしこれを読んだあなたが日本人だと疑いなく感じているのと同じレベルで無意識は自己イメージに合わせようとします。

 

ちなみに、お金から解放されている人は『お金なんて単に数字の羅列じゃね』という臨場感に生きているそうです。一万円札を破るワークはそのために実施するものと思われます。

 

さらにもう一つの例をあげましょう。昔インドで狼に育てられた二人の少女がいました。かなり有名な話なので聞いたことがある方も多いでしょう。この少女たちは各々が7歳くらいの頃に人間によって保護されました。

 

驚くべきことに4足歩行で、嗅覚に鋭く、生肉を好み、狼のように遠吠えしたそうです。また暑い時は汗をかくのではなく犬のように舌を出していたそうです。

 

生物的には人間、他の人が見たら人間の女の子です。しかし、彼女たちの自己イメージは狼。その臨場感に生きていたのです。なんとカラダまでそれに合わさってしまったのです。

 

コーチングの大家ルータイス氏の言葉

 

『私たちは本当の真実ではなく、自分が信じる”真実”に従って行動する』

 

という言葉のとおりです。

 

しかしながら、私はこんな単純なことに長年気が付けませんでした。

それはやはり当人にとっての臨場感が当たり前の世界、私でいうと日本という臨場感にドップリと浸かるという環境では、スコトマとなってなかなか気が付けませんでした。

 

帰国してから『あっ、I×V=Rってこれじゃん。結局のところ臨場感じゃん』と腑に落ちたのです。

 

さて、ここまで読んでくれた方に質問です。

 

あなたはどういった臨場感を選びますか?

意識に上がれば選べますよ。