ご縁の国しまねというからには

ご縁の国しまねというからには

2015-09-01

8月30日のセミナーにて出てきたキーワードの一つに繋がりがある。
私たちは無意識に集団をつくりそれを維持しようとする傾向がる。他との繋がりに対して、排他的になってしまう。集団や組織の中にいると他から見たら、おかしいと思うことが分からなくなってしまう。

一例として、学校を出たての新入社員が最初は会社や組織の慣例がおかしいと疑問を感じつつも、年月が経つにつれその慣例に慣れてしまう。そして、今度は後輩にそれを強いるようになってしまう。

個人レベルでも、なかなか違う価値観の人を受け入れようとしない。よく、あの人は頑固だからはと言われる人がいるが、それは簡単に言うと変化したくないということだ。

良い悪いは別として、人間にはホメオスタシス(恒常性)という超強烈な本能が備わっている。集団でも、個人でも変化はしたくないという思いが強い。

しかし、人間にはそれでも、変化をしたい進化したいという欲求もある。赤ちゃんは誰に頼まれているわけでもなく、ハイハイをするし、言葉を覚えようとする。寝ているのが楽だから、僕は一生赤ちゃんのままでいいので成長は不要ですという人を見たことがない。カブトムシでさえも幼虫からさなぎになって、成虫へと変化をしていく。

変化をしたくないという本能もあれば、変化をしたいという本能もある。ここが人間の面白いところでもある。先に書いたように、絶対はないと分かっているけど、それを追い求めてしまうみたいな。

ちょっと話がそれたが、繋がりに戻そう。
組織や集団は変化を嫌うと同時に、変化が必要な時が来る。今の時代、昔は超安定だった会社でも、これほどインターネットが発達して、世界と繋がっている現在においては変化に適応できなければ潰れてしまう。というか既に潰れてしまった大会社は多い。

セミナーでは、変化していくには、外からの視点を取り入れて繋がってく必要があるという結論に至った。外からの視点、つまり、よそ者を排除しない。よそからの意見を一端は受け入れるということだ。ここで注意して頂きたいのは、よそ者を組織の中には入れないということだ。入れてしまったら必ず同化をしてしまう。あくまでも第三者の視点で、距離を置くことが大事だ。

例えば、島根県では地域振興という題目のもと各自治体や地域が必死になって打開策を練っている。成功している自治体や地域もあれば、苦戦しているところもある。

僕が思うに成功している自治体や地域は、間違いなくよそ者を排除せず、キチンと意見を取り入れている。とくにトップが、よそ者の視点を積極的に活用している。自分たちにスコトマ(盲点)があることを十分に認識している。それを外すのがよそ者だ。なんだかコーチみたいだ。全国的に有名になった某島の町なんかはいい例だろう。

一方で、苦戦している自治体や地域はよそ者を受け入れようとしない。地元のことは自分たちが一番よく知っている。よそ者に言われる筋合いはないと排他的なところもある。結果、ますますスコトマ(盲点)が増えてしまい、第三者から見たらいい点が見えなくなってしまう。昔、韓国人に島根県にはボラ(魚の種類)が多いので、これをカラスミとしてPRしないのですかと尋ねられたことがある。その時に、なるほど、スコトマ(盲点)とはこういうことかと思い知らされた経験がある。

よそ者を受け入れる、繋がるとは、コーチング理論で言えば縁起(関係性)を書き換えるということだ。「ご縁の国しまね」とPRしているからには、第三者の視点を尊重して縁起(関係性)を書き換えていく必要がる。まさに、ご縁の国しまねの一番地である出雲市でのセミナーでそう思った。間違っても、ニセ物になってしまわないように。