なかなかゴールが叶わないという方がおられると思います。
その要因の一つは自分だけが嬉しいゴールを設定していないのかということです。
とはいえ誰でも最初は『年収何千万円になりたい。高級外車に乗りたい』というゴールを設定しがちです。
社会的には、自動的にそのようなゴールを設定するように仕掛けられています。
私も同じようなゴール設定だったので、ついにはしかるべき方より自分という抽象度を抜けてと指摘された経験があります。
でも、ご安心ください。
真面目にセルフコーチングをして行き、抽象度が上がればそのような仕掛けに気づくようになるでしょう。
さて、ゴールを叶えるのは実は他人を幸せにするゴールを設定するのが手っ取り早いといということに気が付きます。
反対を言えば自分だけのゴールは叶いにくいし、どこかで綻びが出るということです。
叶いにくい理由の一つは、エネルギーが湧かないから。
人間不思議なことに自分のためよりも、他人のための方がやる気が出るものです。
あなたにも『あの人のためなら』という経験がありませんか。
西洋的な考えでは個人として人を単体と見做すようですが、東洋的な見方だと集団を人と見做すと聞いたことがあります。
それはさておき、人間も社会的な動物なので仲間の幸せを本能的に願うのかもしれません。
たまに線路に転落しようとした他人を助けようとして、電車に惹かれてお亡くなりになる方のニュースを見分します。
無関係な他人のために自分の命を投げ出す。
助かった人に動機を尋ねると『無意識レベルで勝手に身体が動いていた』ということを聞きます。
人間が本来持つ本能でありDNAに記録されているのかもしれません。
コーチングの開祖、故ルータイス氏と共著のある筑波大学名誉教授の村上和雄教授の著書から引用します。
アメリカのペンシルバニア州のランカスター地区では。アーミッシュと呼ばれる人々が独自のコミュニティを作って生活しています。
(・・・中略・・・)
(アーミッシュのコニュニティ:筆者注)に、外部から、銃を持った男が小学校の教室に押し入り。5人の少女を射殺、5人が重症を負ったというのです。事件の詳細は次のようなものでした。
教師と男子生徒を外にだし、女性だけを教室に残した男は、警察が駆けつけると、女の子たちを人質にして立てこもり、包囲を解かなければ人質を殺すと脅かしました。
包囲が解かれずに激高した男は、少女たちに銃口をつきつけて引き金に手をかけました。すると、最年長の少女が進み出て、「私を撃って、代わりに小さな子どもを助けてください」と申し出ました。
男が、その少女を撃つと、次に年長の少女が進み出て、同じことを言いました。その子も撃たれ、その次の子も撃たれ、結局、男は、全ての少女たちを撃って自殺しました。
村上和雄 (著) 『幸せになる遺伝子の使い方 単行本』海竜社
この例にも人間には究極のところ自分を犠牲にしてまでも他人を活かす、そこにエネルギーが生じるという可能性を示唆しています。
さて、シンプルに考えて相手のことを考えられる人は他人から尊重されます。
自分のことを大切にしてくれる人を、蔑にする人はあまりいないと思います。
人は自分を大切にしてくれる人には協力的になります。
このような社会的な情動を処理したり抽象度の高い思考をつかさどったりする部位は前頭前野内側部と呼ばれています。
人間は進化の過程で、この部位を発達させてきました。
ゆえに、抽象度の高いゴールには無意識レベルで賛同しようとするのではないでしょうか。
ここで面白い話があります。
ある女神との話を振り返ると、S〇Xが下手な男性は女性を思いやっていない。
性欲のはけ口としか考えていない男性は抽象度が低い。
ゴール設定も独りよがりであり、応援もされにくいし、エネルギーも湧きにくいだろうという話が話題に上がりました。
サルと同じであり、交尾とS〇Xは違う。
相手の抽象度の一部分は、夜の生活の一部分からも垣間見れるとのことです。
さすが女神は何でもお見通しです。
この説は説得力がある気がします。
ないよりも、ゴールに関しては達成よりも設定の方が大切なことを物語っています。