何をいったのか?より、誰にいわれたのか?の意外なメカニズム

何をいったのか?より、誰にいわれたのか?の意外なメカニズム

2022-05-11

前回のブログで『何をいったのか?』よりも『誰にいわれたのか?』の方が重要だと書きました。

このことについて、私はコロナ禍でからだを張った実験をしてみました(笑)。

それは地元で、初めての人に会うときの自己紹介を工夫することでした。

都会ではコーチングは、一般的に受け入れられているようですが、地方ではまだまだです。

コーチと言えば野球やサッカーのコーチのことだと思われます。

なので、コーチやコーチングについて、いちいち説明するのは面倒だったので、地元で人と会うときに、

自分の肩書を、

『住所不定、職業不詳、活動内容情報操作全般』

と説明していました。

服装はシャツにGパンという、ラフないでたちです。

返ってきた反応は怪しい人でした(笑)。

ひとたび、他人から怪しい人認定されると、その後、私がその人に、どんなに素晴らしいことを喋っても届きませんでした。

こいつは怪しいやつだという認識が、相手の脳内フィルターをオンにしてしまうからです。

実のところ、私は情報操作全般とうたうくらいなので、毎日欠かさず日本のみならず外国のメディアをウオッチして、国際情勢を分析しています。

その分析をもとに、自分の意見をのべても、怪しい素人の与太話ということで一貫の終わりでした。

相手の脳内フィルターが、ネガティブな方向にオンしてしまうと、その人に何を言っても、怪しいとみなされます。

ところが、

ある日、別の会合でスーツを着て、法律系の資格のバッジをつけて、以下のように自己紹介をしました。

『趣味は英字新聞の記事を書くことです』と(日本語で)。

すると、

『法律に関することがご専門で、英文記事が書けるならば、某大手英字新聞で記事が書けるのではないですか?知り合いの記者を紹介しましょうか』

という、180°違う反応が返ってきました。

硬い仕事で、かつ英語ができる=信用できる人という謎の公式があてはまったみたいでした。

驚いたことに、私のことを怪しい人と思っていた人からは、『イヤー斎藤さんは実はスゴイ人だったんですね』という、全く逆の印象をいだかれました。

その人に上に書いたとおりの国際情勢をレクチャーしたら、話を聞いてもらえました(笑)。

『はい。先生が言うことなので間違いありません』と・・・。

(おい!)というのが、正直なところですが、

しかし相手の脳内フィルターが(私に対して)ポジティブな方向にオンをすると、今度はネガティブとは真逆に、話が届きます。

さて、ここで話をまとめると、

怪しい斎藤が話した内容は、どんなに的を射たことでも、『価値のない情報』とあつわれて周囲に理解してもらえません。

一方で、先生である斎藤が話した内容は、『仰せのとおりです』と問答無用で正しいとみなされます。

こういったことが起るのは、

人間の『ものの見方や考え方』が、けっこういい加減だからです。

ほんの少し、相手に与える情報を操作するだけで、その人の認識している世界、つまり現実感が書き換わります。

相手からポジティブな印象をいだかられば、『坊主憎けりゃ袈裟まで憎い』の反対で、こちらのイイタイコトは伝わります

冒頭の『何を言ったのか?』よりも『誰に言われたのか?』という現象がおこるのも、人間の認識が、この程度にいい加減なためです。