子どもの能力を伸ばす簡単な方法

子どもの能力を伸ばす簡単な方法

2015-11-17

非行に走った少女

私は塾講師の経験があります。その中で、いわゆるちょっと非行に走り気味の子を受け持った体験があります。

当時14歳の女の子で勉強はあまり好きではないタイプ。
だけど、考え方は物凄く大人びいていて内心は本当にとても優しい子でした。

ご家庭に問題がありその反動で非行に走ったケースです。

学校で先生に叱られて、塾でも先生に叱られて、対応に困ったのかアルバイト講師であった私に振り当てられました。塾も、イヤイヤながら来させられていた感じでした。

頭の中の映像を変えさせる

私は、とりあえずこの子の自尊心を高めることだけに集中しました。科目ごとの成績は、自尊心が上がれば勝手についてくるということを知っていました。

また、自尊心さえ高まればそれまで無理だと思っていたことにも取り組みやすくなる。本当は、自尊心の低さからやりたくても抑えていたことを、やるようになるだろうと考えていました。

方法はとにかく褒めてみた。だって、それしか知らなかったから。私が子どもの頃に、先生にされてきたことの真逆を試してみました。

間合いにも気を付けました。何でもかんでも褒めればいいということではありません。ここ一番というところで、ポイントを押さえて実行しました。

その子は周りの大人たちから、全く褒められることがなかったせいか、最初は戸惑っていまいた。

素行に悪いところがあってもダイレクトに叱りませんでした。

実は「君らしくない」「次は、できるよね」と言っただけです。
元祖コーチのルータイス氏の本にそう書いてあったので素直に試してみました。

間違っても、スポーツチームのダメなインストラクターが、失敗した映像を何度も見せるかのようなことはしませんでした。そうすれば、脳に失敗の映像を記憶して、次の試合でも同じようなミスをしてしまいます。失敗する自分のイメージが、より強固になり、映像や感情を伴った記憶を無意識に再現してしまうのです。

これにならって彼女の頭の中の映像を変えることに専念しました。

効果は、あり過ぎで自分でもビックリしました。

(今なら苫米地ワークスで取得した技で、さらに変えてしまう自身があります)。

まず、キチンと塾に通うようになりました。それまでは、ドタキャンや遅刻が当たり前でした。Have toだったので当然と言えば当然ですが。

次に、問題を解くようになりました。最初は、お喋りをしたり、居眠りをしたりして全くやる気がなかったのですが次第に教科書を読み、問題を解くようになったのです。

何回か問題を解いていくうちに意味を理解するようになりました。それに比例して、テストの点も上がっていきました。

その子のお母さんがとても喜んでくれたのを今でも鮮明に覚えています。

反省 古くて間違った方法

さて、私は仕事や教育の世界で、上にあげたような方法がまかり通っていることを嘆いています。これは、本人の為だと言っておきながら、指導者が影響力を与えがたいがための自己満足ではないのでしょうか。

テストで悪い点を取る。素行が悪くて注意をされる。叱られる、責められるほど萎縮してしますのです。結果、そのような自分が映像となって次回もまた再生されてしまうのです。

また、この時、子どもが勉強できないのは間違いなく、先生を含めた周りの大人がどう関わるかだと気が付きました。

そして、自尊心が低い。これは多くの生徒にあてはまりました。自尊心が低いゆえに、自分にはなりたいものがない。どうせ無理。そんな否定的な言葉のオンパレードでした。

何か夢をもっても、今の君の成績では○○高校が関の山、だから無理だと言われる。それを事実だと思い受け入れてしまう。

指導する側は、その人の常識の範囲内でしか答えません。また、多くの人は現実をベースにし過ぎる人が多い。過去ベースでしか将来を考えられません。なのでそのイメージを子どもに押し付けて能力を制限してしまう。

ピグマリオン効果をご存知でしょうか。

例えば、成績の良くない生徒が指導者に「君は才能を開花させる素晴らしい生徒だ」と期待をかけた結果、実際に才能を開花させ成績を上げてしまうという実験報告があります。

指導者から認められることによって生徒のセルフイメージ(人間はその人のセルフイメージのとおりの人間になる)が出来る素晴らしい生徒に書き換わり、その通りに現実を合わせようとするのです。
このように指導者がその生徒に向けるイメージは強烈なのです。非言語で伝わってしまうのです。

教育の専門家ではない私に何が分かるという方もいるかもしれません。しかし、私は専門家ではないゆえに余計な知識がない。時として知識が邪魔をして、他の方法を見えなくしてしまうのです。

だから、あえて言います。指導に携わる方は、ぜひ生徒の未来からみて関わってください。
その役割は、子どもたちにとってとても大きいのです。

まとめ

子どもの自尊心さえ高めてしまえば、科目の成績なんて勝手に上がる。
また、自尊心さえ高まれば勝手にゴールを見つけてそれに向かって走り出す。

指導者は、過去ベースで生徒見るのではなく、未来ベースでみる必要がある。
そこに指導者の力量が試される。

セミナー情報

1.『自己洗脳で人生を変える日記の付け方』
日時 2015年11月28日(土)13:00-15:00
場所 京都(会場はお申込者に個別にご連絡します)
定員 20名
講師 幌村菜生(テトラヒドロン人間関係研究所 所長)、斎藤貴志(苫米地式コーチ)
料金 20,000円(税抜)

2.『アファメーション12個目のルール』in 大阪
日時2015年12月13日(日)12:10 〜15:00
場所 貸し会議室 大阪研修センター 〒532-0024 大阪市淀川区十三本町1-12-15 ドルチェヴィータファースト3階 アクセスマップ http://www.kaigishitsu.ne.jp/accessmap/index.html
定員6名
講師 佐藤星児 三國真弓 斎藤貴志
料金5,500円