世の中には美人と称される女性がいます。
美人に関する研究は以下が代表例です。
平均顔仮説、対称顔仮説(シンメトリー)、お肌すべすべ仮説があげられます。
まず、平均顔仮説は、平均的な顔の人が好まれるという説です。平均的な顔はよく目にするので、だんだんと慣れ親しんできてよく見えるようになる。また、顔が平均からずれているのは何らかの突然変異をもっているサインになる。突然変異は大概は有害なもので、それゆえ突然変異がない配偶者、つまり平均的な顔が魅力的で、そのような配偶者を選択する方が結果的に淘汰されずに進化的に生き残ってきた証とする仮説です。
次の、対称顔仮説とは目、耳、鼻などのパーツが左右対称である顔が好まれるという説。
平均顔仮説に対抗してできた仮説です。左右対称であれば、人が認知をする時にエネルギーを抑えることができるので好まれる。また、人は左右対称のものを美しいものとして知覚するので、左右最小の顔を好ましいものとして選ぶという仮説です。
最後の、お肌すべすべ仮説は、お肌がすべすべの方がホルモンが正常に流れて、健康であるという仮説です。この3つの中では比較的新しい説です。
参考図書 越智啓太著『美人の正体』実務教育出版 2013年。
しかし、これらの説にあてはまらずに、雰囲気的に美人だな~と見入ってしまう女性がいます。
このような女性は、なぜ美人なのか?
それは変性意識を操るのが上手いから仮説です。
変性意識とは簡単にいうと、目の前の物理的現実世界よりも、イメージや考え事、言葉や言葉が形成した概念の方をリアルだと思っている意識状態のこと。
なんだか難しい説明のようですが、人間はいつでもこの意識状態です。『今日の晩ごはん何食べよっかな?』と考えたり、『あっイケメンだ』とひとり言が走ったりした時点で既に変性意識です。
それゆえ、人は誰でも変性意識状態にあります。
雰囲気美人は控えめにいっても、自分=美人、いわゆる自己イメージとして美人である自分がリアルの存在なので変性意識状態です。それもカナリ深い状態で……。
変性意識は他人に同調させることができます。同調できる意識状態だからこそ、それを他人にコピーしてしまえば洗脳が可能です。
同調とは、たとえば、眠たそうな人の隣にいたら、あなたも釣られて眠くなった経験がありますよね?
このカラクリは眠そうな人は結構深い変性意識状態にあるからです。
なぜならば、眠っている状態がもっとも深い変性意識状態だからです。
眠たそうな人はその一歩手前くらいなので、それくらい深い変性意識だということが想像つきますよね。
この美人も上記の顔のパーツという物理的な物体よりも、自己イメージの方により強烈な臨場感を覚えています。
ということは、こういった感覚の女性ほど、深めの変性意識だということができます。そして、この意識状態は自分だけの世界でもあります。
雰囲気美人は、この自分だけの世界を周囲の人にも同調させているのです。
具体的には、目を見た時に、『わたしは美人よ、見て』と他人の無意識に伝達しています。
他にも、声色やシルエット、ファッション、そして雰囲気で、周囲の人の心の扉をノックどころか、ぶち破ってリアルを揺らがせています。
つまり、わたしは美人だというリアルの世界に、他人を引きずりこんでいるのです。
東洋的にいうところの気功というやつです。
美人はわたしは美人よという自分の臨場感空間に、他人の意識を引きずりこんで、リアルを書き換えている能力に長けた女性なのです。