※過去メルマガ記事、加筆・修正
『なぜカニの値段が500万円になったのか?』続きを書きます。
前回の復習として、
中学校の教科書で習った価格決定の方法(需要と供給曲線の均衡点が価格)では500万円の値が付いたことは説明不可能でした。
この方法ではせいぜいカニ一匹の商品としての値段はどんなに良いカニでも、せいぜい2万くらいが限度でしょう。
500万円は無理があります。
もう一方のマルクス経済学では商品価格は『使用目的+交換価値』で決まると考えます。
使用目的とは『食べる、卸す』などの使用目的のこと。
交換価値とはそれを商品にするために要した労働力やコストを意味します。
カニを取る労働は間違いなく重労働です。しかし、それでも500万円は難しい。
一体なぜ500万円なのか?
それはカニが捕られて、売買された鳥取県について考える必要があります。
実は、鳥取県は数年前に蟹取県というネーミングでブランディングしていました。
参考記事 https://rocketnews24.com/2014/11/13/509023/
ネーミングをブランディング、これは情報の書き換えの王道。
情報の書き換えとは、ある対象からイメージされる内容(コンテンツ)を変えてしまう魔法です。
他人がイメージするのは脳内の情報です。そこをジャックしたので、控えめにいって洗脳です。
鳥取県はカニが沢山取れ、かつ格式が高い!というイメージを県の内外に発信して、それを知らしめたのです!
専門用語で水路づけといいます。
それは一つの水路にだけ水が流れるかの如く、人が鳥取県を思い浮かべると、良質なカニが取れる県というイメージをブリーフシステム(信念体系)に刷り込みます。
福井や兵庫、そして島根を出し抜いて、鳥取=カニのイメージの土壌をつくりました。
次は、カニのブランド化。今までは松葉カニと呼んでいたカニに対して、独自に五輝星というブランド名をつけました。
物理的には紅ズワイカニとそのブランド名である松葉カニとは全く違わないものが、あたかも別のカテゴリーであるかのように仕立てられました。
男子は制服を着ると3割増しと言いますが、カニに至っては、3割どころではない大出世です。これも情報の書き換えです。これも地ならしです。
このようにして、鳥取県による工作が水面下で着々と実行されていたのでした。