先日はバレンタインデーでした。
前はゴール設定とチョコレートを絡めて説明しました。
今日は抽象度とチョコレートを絡めて説明します。
抽象度とは、簡単に説明すると視点の高さのことです。
※詳細な説明は省きます
たとえば、自分一人が幸せになるよりも、家族が幸せになる方がいい。
さらに、地域の人が幸せになるといい、日本中の人が幸せになるといい。もっといえば世界中の人が幸せになるといい。
自分の幸せよりも、世界中の人の幸せを願う方が俯瞰した高い視点です。
実は、視点が高い方がエネルギーが湧きます。
家の2階の屋根から物を落とすよりも、東京スカイツリーから雪だるまを落とした方が破壊力がありますよね。
これは位置エネルギーが運動エネルギーに変化したために起こります。
視点も同じです。視点の高いところから、具体的な行動に移すととてつもないエネルギーが生じます。
これが抽象度のエネルギーです。
この原理を応用したチョコレート屋さんが京都にあります。
名前はDari K
このDari Kの創業者は、チョコレート業界のある問題点に気がつきました。
それはチョコレートの原材料であるカカオ豆の生産者は、自分たちのカカオ豆が一体、どこで何になっているのか分からないということ。
自分たちが採ったカカオ豆なのに、一度市場に出回ると投棄の対象となって高くて、買うことができないという問題点に気がつきました。
この問題を解決するために、創業者はそれまで勤めていた大手外資系金融機関を辞しました。
貯金を全部はたいて、自分で直接、生産者からカカオ豆を買い付け、起業したのです。
またDari Kの創業者の方が考えた、もう一つの問題解決法は、生産者の方が簡単にカカオ豆からホットチョコレートに加工できるミルの開発です。
なぜならば、現地の生産者は自分たちのカカオ豆の次工程はおろか、それの加工法がわからなかったからです。
自分たちも、そして現地の生産者の幸せを考えたのですね。これが抽象度、高い視点です。
とはいえ、カカオからホットショコラをつくるミルをつくるには、高い技術力が必要です。
一介のチョコレート屋さんがおいそれと作れるものではありません。
すると、なんと!日本の大手電機メーカーが協力して作ってくれたのです。
メーカーの担当者いわく、Dari Kのプレゼンが琴線に触れたとのこと。
プレゼンをしながら、Dari Kの創業者は高い抽象度から、相手(メーカー担当者)の臨場感に落とす。
言い換えれば、高い理想を情熱や想いを込めて語ると。
心は書き換わってしまうものです。
さて、このホットショコラのミルを携えて、フランスのサロン・ド・ショコラに切り込みました。
日本はおろか、世界中でこのようなミルは他にはありません。
すると、どうでしょうサロン・ド・ショコラの会場で、『うちに売ってくれ』と引き合いが殺到したようです。
今後はミルを汎用化して、世界中のカカオ生産者に届くようにして、世界を変えていくことが目標のようです。
これがThe 抽象度の威力であり、抽象度の高いゴールが世界を変えていくのです。
Dari K(ダリ―K)
参考資料
BSスペシャル 『チョコレートで世界を変える日本人たち』
2・11(火) NHKBS1にて放送
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