今回もエフィカシー
コーチングでは、エフィカシーとは自分の能力に対する自己評価、ゴール達成のための自己評価とされています。
余談ですが、もともとは、ルータイスプリンシプルで使われていた概念です。
その故ルータイス氏と、一緒にコーチングプログラムを共同開発した中の一人が、アルバート・バンデューラ博士です。
著名な心理学者で、エフィカシーという概念を提唱された方です。あまり詳しくは書けませんが、TPIEやPX2の教材の中に、そのお名前がしっかりと明記されています。
さて、今なぜエフィカシーなのか。
かつて日本に住む人々の間で共有されたゴール
かつて、個人間でのゴール設定はあまり重要ではなかったのかもしれない。これは与えられて、多くの国民が共有していたロールモデルがあったからだと書きました。
また、戦争からの復興と繁栄が皆に共通のゴール設定だったと書きました。
戦後の焼け野原から、わずか数十年で超高層ビルが立ち並ぶまでの復活は、奇跡ではなく、その時から考えた現状を超えたゴール設定の賜物でした。
一等国に返り咲きたいという(want to)が、その原動力だったのです。
エフィカシーよりも忍耐と根性の時代
この過程で、男性の場合は終身雇用制度と年功状列制度に護られていました。
最初に入った会社で、辛抱図良く働けば給料は上がっていきました。また、社会的信用や身分保証は、組織にしっかりと護られていました。
また、中卒で大工さんになろうが、大学を出て経団連企業の社長になろうが、生涯で受け取る賃金格差は欧米に比べて少ないとされていました。
その結果、一億総中流と言われる時代が到来したのです。
多少の息苦しさがあったのかもしれませんが、レールにさえ乗ってしまえば、それなりに安定した生活が送れたのです。
女性もある程度まで働いて、結婚して、子どもを産んで、立派に育て上げる。これがお手本であると。今でも地方では、この考えが、根強いのではないかと思います。
この結婚に関しても、ある程度の年齢になれば、お見合いが用意されていて、よほどのことがない限り結婚できないという事態はありえませんでした。
こうして日本に住む多くの人々は、与えられたゴール(人生設計)の範囲内で、ささやかな幸せを享受できたのです。
エフィカシーもあまり意識しなくて良かったのかもしれません。
与えられるゴールでは、どこの会社に勤めたかで、おおよそ将来の予想が可能でした。エフィカシーよりも、上からの指示をこなす忍耐力と根性が求められたと考えます。
人びとの間では『一生安泰』という神話が、臨場感を持って共有されていた、つまりリアルであったと推測します。
昨今の情勢では
率直に言って、上にあげた環境は、ほぼ崩壊しています。このラインを維持できるのは今のところ一部の企業と、公務員だけです。ただし、賃金に関しては下降しているのかもしれません。
公共インフラを扱う企業も、今後TPPが締結されればどうなるのか分かりません。
日本に住む多くの人が、苦しい労働環境に置かれる可能性は否めません。
というよりも、日本に住む人々の大半が安定した、生活を享受できたのは、戦後の一部分だけです。
私たちは、たまたま親の世代がこの時代に生きていたので、この時の価値観が当たりまえであると思い込んでいるだけです。時代は流れています。
『一生安泰』は辛くも崩れ去りました。
こう考えてくると希望と同時に安定もつくりだす必要がありそうです。
ただし、ここで言及する安定は、経済的な安定よりも、精神的な安定です。
精神的な安定があってこそ、経済的な安定に繋がりやすいのです。
全てはマインド(脳と心)から生まれるのです。また、不思議なことに安定した心と同じような出来事や人と巡り合います。
ここで必要となってくるのがエフィカシーです。
例えば、優良企業に勤めていた方が、ある時会社の業績が悪化してリストラされたとします。
それまでは、会社や組織の後ろ盾があって「俺はスゴイ」と感じていた感覚が無くなり、急に自信を喪失してしまいます。誰もちやほやしてくれなくなるでしょう。
下手をすればうつ病を罹患して、自殺を試みてしまうのかもしれません。
それは免れてもその時のショックや他の複合的な要因が絡み、希望を持って生きづらい状況に陥ることでしょう。
そうならないために
しかし、エフィカシーが高ければ、確かに、リストラのショックは受けるでしょうが、立ち直る力は早いはずです。
また、そのピンチをチャンスにさえ変えてしまいます。それこそ、現状を超えたゴール設定をして、それを本当に成し遂げます。
その背後にあるのは、例え困難な状況に置かれても「俺なら出来る」という高いエフィカシーです。
そのうちwant toで起業をするなり、違う会社(日本国外を含む)に転職することでしょう。もちろん、それ以外の選択肢もあり得ます。
もう少し突っ込んで説明すると、消費をする側ではなく、今度は価値を提供する側に回ります。
資本主義経済においては、価値を提供すれば金銭として返ってきます。生産者としての在り方です。
その時に気付くわけです。自分の人生は自分でコントロールできる。ゴールから見れば全ては必然であったと。
どのような状況でも、希望を見い出し、それを叶えていくマインドセット。
そして、生産者として価値を提供し続けていくこと。
これこそが、今後求められる安定なのです。
まとめ
・エフィカシーはルータイスプリンシプルから来ている。元をただせば、アルバート・バンデューラ博士の提唱した概念
・かつては一等国に返り咲きたい、戦後の復興を成し遂げたいというwant toのゴールが国民間で共有されていた
・終身雇用と年功状列の頃は、エフィカシーよりも忍耐と根性が求められた
・当時の日本では、与えられたゴール(人生設計)の範囲内で生きていくことが、ささやかな幸せであった(と思われる)
・終身雇用や年功序列もだんだんと崩れてきている
・TPPが締結されればいっそう苦しい経済状況に陥ると予想される
・この時代を生き抜くために、高いエフィカシーが求められる(ゴール設定も然り)
・消費をする側よりも、価値を提供する側へ回ろう
・高いエフィカ―と生産者マインドがこれからの安定に繋がる
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