コーチング理論で神経症を考える ~エフィカシーと不安の関係~ 

低エフィカシー
とかく私はエフィカシーの低い人間だったと回想します。

それはエフィカシーが低くなるように育てられたことにより起因すると考えられます。

これは私の両親や学校の先生が、特別にエフィカシーが低くなるような教育を施したとは思いません。

多かれ少なかれ当時も今も、エフィカシーを高めようという意気込みは臨床ベースでは教育現場にあれど、実際にはほとんど機能していないからです。

これは推測の域を出ませんが、昔からの伝統による耐え忍ぶ教育がスタンダードだと思います。

道徳などで美徳として扱われてしまって、誰も批判できない状態になっているのではないでしょうか。

社会性を身に付けるとは我慢を覚える事。

社会人になれば辛いことが一杯ある。

大人になれば誰もが騙し騙し生きていく。

それを紛らわすためにお酒があるのだと教えられました。

このように育てば、誰だってエフィカシーの低い人間に成ります。

そもそも、子供という字が表すように、大人に供るものという意味があるのではないでしょうか。

そのような人間が大量生産されれば、社会も低エフィカシーの傾向を帯びてしまいます。

低エフィカシーの何が問題か
神経症という生きづらい状況を蔓延らせてしまう蓋然性が高いと危惧します。
※神経症は病気ではなく、もともと本人の性格に基づくものなので治しようがない。一生付き合っていくしかないと考えられています。

一例をあげると、他人からくさいと思われているかもしれないと脅える自己臭恐怖。

怖くて他人と関わることが出来ない対人恐怖。

はたまた、手を洗うのが止められない、ガスの元栓を閉めたのか気になるという強迫性障害です。

このような症状に苦しんでいる人は日本には多く存在すると言われています。しかし、健常者から見れば、なぜそんなことにこだわるのかと不思議がられて、ほとんど理解されない現実があります。それゆえ辛い日々を送っています。

俗にいう「分かっちゃいるけどやめられない症候群」です。

これで自殺をする人。一生を棒に振ってしまう人もいます。

疲労や緊張状態の持続も伴います。自律神経も支障をきたして、抑うつ傾向や睡眠障害も伴います。

しかしながら、場当たり的なカウンセリングや薬で症状を抑え込むのがせいぜいだと思います。

神経症の原因とエフィカシーの関係
原因は、心理面では無意識下にある不安や葛藤とされます。
脳のレベルでは、脳内の神経物資や回路のつながりも指摘されています。
また、特定の部位のエラーだとも言われています。

発症は10代の後半に多いと言われています。
実際に、私も10代の後半から10年くらい苦しみました。

私の10代を振りかえってみると、この頃はいろいろと理想を高く持ちがちでした。理想を高く持つことは悪いことではありません。

しかし、この理想は本当にそう思いたい(want to)ではなく、そうあらねばならない(have to)に根ざしていました。

エフィカイーが低く、心の底では僕は劣っていると薄々と考えているものの、それは抑圧して認めることができませんでした。

一方で、こうあらねばならない(have to)という理想がありました。

このギャップがマイナス(-)のエネルギーとなり、上記のような心身に害をなす症状を表出したと私は考えます。

また、脳の部位の成長に伴ってなんらかのシステムエラーが生じたのかもしれません。

いつも不安な状態でないと落ち着かない症状、つまり不安がコンフォートゾーンでした。

これらは根本的にはエフィカシーの低さによってもたらされたと考えます。

エフィカシーの概念を提唱したバンデューラ博士によれば、不安を強く感じてしまう人は「不安をコントロールできない」と考えてしまうそうです。

私の例を当てはめれば、不安への対処の方法を習ったとしても、私には無理と考えて不安は増すばかりでした。

また、ねばならない(have to)という理想も、もともとは低いエフィカシーに裏打ちされた劣等感の裏返しであったと思います。

それゆえ、周囲の人間をその基準に当てはめようと躍起なっていたのだと思います。これでは、ストレスが溜まるばかりです。

とにもかくにも、私のマインド(脳と心)はクリエイティブに神経症の症状をつくりだしたのです。

高エフィカシー仮説
しかし、仮説として、コーチングにより、高いエフィカシーを保持をして、劣等感も元来は感じる必要がなかったとしたらどうでしょうか。

高い理想も、心から欲するwant toのゴールであればどうだったでしょうか。

これにより確かに、認知的不協和が生れて気持ちが悪くなるとは思います。しかし、神経症のように、地獄の苦しみを味わわなくて良かったのではないかと思います。

私は自分が実験台となっていろいろ考えた結果。この仮説は概ね間違っていないと感じます。

エネルギーの非効率
神経症による疲弊のため元気が無いのがデフォルトで、いつもエコ運転のような状況でした。

余ったエネルギーは、強迫観念などを打ち消す儀式に割り当てられていたと思います。

また、強迫観念から逃れても、今度は他人からどう思われるかばかりが気になって、そちらにエネルギーを注いでいました。

というよりも到達不可能な、ねばならない理想を追う→達成できない→ストレスを抱え込む、またダメだとエフィカシーが低下する

このような悪循環に溜めにエネルギーが注ぎ込まれていまいた。

しかし、今ではエネルギーが在り余ったような状態です。正確には、大部分がwant toのゴールに向けて補填されている感じです。

脳のレベルで語れば、新しい神経細胞が生れ、いわゆる脳地図が書き換わった状態です。

 

脳はよみがえる
神経細胞が誕生し、成長していくプロセスは私たちの日常生活で毎日起こっている。これは、驚きだ。脳は不活発で、大人になると脳の神経細胞は誕生しないと固く信じられ、脳科学の教科書にも100年近く、そう明記されていた真実が完璧に覆ったからである。
ヒトでは海馬の歯状回という個所で小さな赤ちゃん細胞が誕生し、時間の経過とともに成長しながら適切なところに移動し、そこで成熟した神経細胞となって回路をつくる。これがヒトの一生を通して起こっている。この発見によって、私たちは以前考えていた以上に自分の脳をコントロールできることがわかった。
生田哲 『よみがえる脳 脳は環境の変化に対応し、何歳になっても、絶えず変わりつづける』ソフトバンククリエイティブ P98。

それ以前は、脳の神経細胞は新しく生まれない。子どもの頃が一番多くて、絶対数の上限が決まっている。お酒を飲めば破壊されると脅された経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

しかし、1998年の脳に関する画期的な発見により、大人になっても、刺激を与えれば神経細胞は生じると考えられるようになりました

この理論から考えると、私の脳内の神経細胞が新しく生まれたために、神経症の回路が遮断されたと考えられます。

また、コーチング理論でいう情報は物理を書き換えるにも通じるものがあります。

このように考えてみるとコーチング理論を導入して、高いエフィカシーで社会を構築(コレクティブ・エフィカシー)すれば、神経症の低減に役立つのではないかと考えます。

まあ、私が論じるまでもなく、このコーチング理論は時の認知科学、心理学、脳科学の最高権威が開発に関わって来たので、そんなの当たり前だよと言われそうですが。

まとめ
・日本の教育では、残念ながら本腰でエフィカシーについては考えられていない
・低エフィカシー神経症に結びつくのではないか
・神経症は苦しい
・低エフィカシーに基づく、劣等感とそれの裏返しのhave toな理想のギャップが原因ではないか
・コーチングを導入して高エフィカシーの状態にすれば、神経症の低減に役立つのではないかと考える
・脳はよみがえる。多くの人は、脳はよみがえらないという古い常識に囚われている。

参考文献
坂野雄二、前田基成 編著 『セルフエフィカシーの臨床心理学』北大路書房

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