『安室奈美恵さんが、なぜ?1996年に女の子たちの注目を集めたのか』について掘り下げてみましょう。
もっとも、安室さんは1996年以後も現在にいたるまで注目を集めてきました。
まず、安室さんといえば類まれなる歌唱力とエキサイティングなダンスが思いだされると前回説明しました。
この歌唱力とダンスの背後には、深い変性意識状態というのがあります。深い変性意識とは、いうならば催眠状態のこと。
人間は深い変性意識状態に陥ると、人間が本来秘めていた能力、たとえば、集中力やパワー、または思考力が発揮されます。
スポーツではゾーン、フローという現象として知られており、一般社会では火事場の馬鹿力として有名です。
安室さんはこの変性意識を操る、つまり自分で自分に深い催眠にかけるのが天賦の才能としてとても上手だったのでしょう。
そして、変性意識にはもう一つ、大きな特徴があります。それは変性意識は臨場感空間を共有している人にうつるということです。
安室さんが共有した臨場感空間には、一緒に踊っていたスーパーモンキーズ(後のMAX)や、観客、テレビであれば視聴者であり、撮影現場のスタッフも含みます。
安室さんが誰よりも深い催眠状態(変性意識)になり、同じ空間にいた人も釣られて深い催眠状態に入っていたということです。
要するに、あの当時、私も含めて、安室奈美恵を知る、多くの人々が彼女がつくりだしたイリュージョンに浸っていたということです。
また臨場感空間を共有すると、次第にラポールが形成されます。ラポールは日本語に訳すと、心理的安心感や親近感で、臨場感空間を共有すると無意識のうちに自然に生成されます。
このラポールがもうワンランク深まるとハイパーラポールという、無意識のレベルで特定の個人を崇め奉る、崇拝するレベルの強力な親近感が生成されます。
この無意識のレベルというのがポイントで、それは大変強力かつ、本人が気がつかないうちにやっています。
俗にいうカリスマのことです。
カリスマがどのくらい強力なのかというと、カリスマに対して、憧れを抱いた人は考え方、言動などの内面はもとより、ファッションなどの外見を知らないうちに勝手に真似しはじめます。
また誰がハイパーラポールの対象となるのかというと、空間に君臨している人です。
1996年の女の子たちを取り囲むシーンにおいては、安室奈美恵さんがハイパーラポールを握っていたといって過言ではないでしょう。
結果、アムラーと称された10代~20代前半の安室さんを崇拝して、ファッションや考え方を真似て同一化を図ろうとする女の子たちが出現したのです。
これが安室さんが崇拝された初期(1996年)の説明です。
初期があるということは、後期もあるということです。
そちらはまた次回~