元彼のことが忘れられません。
このことにお悩みの女性は多いようです。
当方には、このようなお悩みが殺到します。
幸せそうなカップルを見た時、または一人でいて寂しさを感じた際に、ふと『幸せだったあの頃』を思い出してしまい、さらなる寂しさや悲しみに囚らわれてしまうのだそうです。
『この悲しみから逃れたい』、『元彼のことを忘れたい』と思えば思うほど、前者はますます寂して、悲しくなり、後者は元彼の記憶が蘇ってきます。
この状態は言い換えれば、自己評価が低下している状態であると推測されます。
そして自己評価を埋め合わせるための恋愛に走ってしまったり、ついつい元彼に連絡を取ってしまって気が付いたら身体の関係だけの繋がりになってしまったりしている現状があるそうです。
元彼の亡霊です。
この状態から抜け出す方法はあるのでしょうか。
この記事はそんな悩みを抱える女性に有益な情報を与えようと試みます。
なぜ、元彼を求めてしまうのか?
あなたはおそらく元彼と別れたくて、別れたのではないのかもしれません。
『この幸せな状態がいつまでも続く』、そう信じていた矢先突然の別れ。
小田勝正は『ラブストリーは突然に』と歌いましたが、非情にも『別れも突然に』です。
突然の『別れたい』発言にあなたのアタマはパニックに陥ってことでしょう。
それから紆余曲折あったものの、今はようやく立ち直ってきたところでしょうか。
しかし、少しボーっとした時に、彼との楽しかった思い出が蘇ってきます。
思い出して辛くなります。
では、なぜ思い出すのでしょうか。
コーチングではコンフォートゾーンという考え方があります。人の習性として、コンフォートゾーンに戻りたく感じてしまいます。
つまり、元彼との楽しかった頃が、まさにコンフォート(快適)だったのです。
あなたのココロはコンフォートゾーンに戻ろうとしています。
さらに、掘り下げて脳の機能から考えてみましょう。
彼と一緒にいた頃は、魔女の宅急便の主人公の『落ち込む事もあるけれど、私この街が好きです』のセリフように、『ケンカもするけど、楽しい日々でした』。
不安や寂しい時、悲しい時に彼と出会うことができた、また電話もすることもできました。
彼のことを思い出せば、無性に会いたくなり(報酬)、そして連絡を取ることができました(行動)。
不安→報酬→行動です。
脳はこのパターンを学んで、繰り返すたびに、ますますパターンを強化しています。
専門的な話になりますが、脳の大脳辺縁系が関与しています。大脳辺縁系は情動や本能行動など、抽象度の低い情報処理に作用します。
『彼と別れたことは、今は前と違い理解はできる。でもココロが追いついていないの』という情報が、大脳辺縁系から前頭前野に伝えられて現在の認識パターンになっています。
とくに、何かに囚われている時は、大脳辺縁系の一部である、後帯状皮質が活性化しすぎていると言われます。
さて、ここが肝ですが抽象度は高い所から低い所に流れます。
ということは、抽象度の高い情報処理から、低い情報処理に割り込む方法に効果がありそうです。
抽象度の高い情報処理とは前頭前野を働かせることです。前頭前野とは、新しく進化の過程で形成された部位であり、知性をつかさどります。
では、どうやったら抽象度の高い情報処理を実行できるのか?
一番簡単な応急処置は、今のあなたの行動を意識にあげることです。
今ここに集中することです。
例えば、車を運転する時は、『今エンジンを入れた』『ギアアップ』『アクセルを踏んだ』と声に出しながら運転してみてください。
歩くときには『右足が着いた』『左足が上がった』とココロの中で呟いてください。声を上げてもいいですが、それだと変な人だと勘違いされる危険性があるため、ココロの中で呟いた方がいいでしょう。
しばらくすると、元彼のことが意識から離れてしまいませんか?
これは今のあなたの行動を意識にあげる、これにより前頭前野が活性化されて、大脳辺縁系がもたらす情報処理に割り込んだからです。後帯状皮質が活性化も沈静化されています。
次は忙しくすることです。
これはとくに抽象度の高い情報処理に限りませんが効果は絶大です。
彼と別れた後すぐは、気力が枯渇して何もやる気が起こらないかもしれません。しかし、ちょっとだけ元気になったら、意図的に忙しくしてみることです。
元彼に囚われてしまうのは、その情報が重要だからです。
昔の歌番組でカウントダウンがありましたが、アレと同じで、『今重要なことNo.1、元彼との思い出』なのです。
百歩譲ってNo.1でなくとも、ベスト10に入っています。
だったら違うことを今のNo.1にしてベスト10から意図的に外してしまいましょう。
『本当にそんな理屈がなの?』と疑問に思うかもしれません。
でしたら例えば、元彼のことでウジウジ悩んでいる時に、いきなりケータイから『Jアラート』が鳴りました。
『あなたが住む街に向けてN国がミサイルを発射した模様、直ちに避難してください』と警報が鳴ったシーンを想像してみてください。
別に、『このままミサイルに当たってしまってもいいや』と言うのは抜きにして、間違いなく非難することに忙しくて、元彼のことは意識に上がっていません。
その瞬間のNo.1は生きること、No.2は非難することです。ミサイルは射程圏内ですが、元彼はココロの圏外です。圏外だとミサイルが届かないのと同じように、重要でないことは意識には上がってきません。
※人間の情報処理能力は1秒間に無意識が1100万ビット、このうち意識に上がるのはたったの40ビットという説もりあります。
私も思春期には、いろいろと思い悩む性格でした。
そんな頃、母が放った一言。
『悩むのはあんたが暇だけんだわね』でした。
当時は、『くそババアふざけやがって』と怒りを覚えたものですが、今思えば母が正しいです。
以上が手軽に行える応急処置です。
長くなるので、今回はここまでにします。
次回は、より本質に迫る対処法を紹介していきます。