今回は別のLUBの話を書きます。
かなり昔に記事にしたことがありますが、高校生に英文エッセイライティングを教えた際にLUBを活用しました。
その時の高校生(女子)は、中学生の頃まで英語が好きだったけど、高校生になる苦手になった方でした。
いわゆる高校生によくありがちなパターンですね。
しかしながら、この高校生の志望校は東京都内の名門私立女子大学で、試験に必ずエッセイライティングが課せられていました。
この大学のエッセイライティングは、問いに対して、YES/ONで自分の意見を求められます。
次の日本語を英語に訳しなさいという、いわゆる英作文よりもワンランク上の代物です。
この女の子の志望する大学に入るためには外せない、問題でした。
数年前に、この高校生のために英文エッセイライティングの指導をお願いされました。
実はこの時の指導でもLUBを使いました。
先ほども書いたように、この生徒は中学生の頃は英語が好きでした。
なので、中学校で学ぶカリキュラムのほとんどはマスターしていました。
いわゆる、take,get,have などの動詞を活用して、文章を作ることができました。
かつ、女の子ゆえに、丁寧にキチンと綴りまで覚えていました。
さて、この高校生は日本人です。すると、少なくとも18年間くらいは日本語を用いて、いろいろな人生体験をしてきています。
また、(日本語で)学校での勉強から知識も学んでいます。
このような日本語でつくられた記憶をA記憶としましょう。
一方で、英文エッセイの場合は文字どおり英語で文章(エッセイ)を書かなければなりません。
しかし、英語力といっても、名門女子大学の英文エッセイの問題においては、高度な英語で書けとは一言も書かれていませんでした。
つまり、キチンと自分の意見に筋道が通っていれば、中学校で習う英単語を使った文章でもOKということでした。
英文エッセイライティングで求められる未来記憶をB記憶としましょう。
この時のA記憶(日本語体験)とB記憶(英文エッセイで求められる英語力)のLUBは言語体験です。
言語体験とは体感をともなったイメージのことです。
次に、このイメージをB記憶の臨場感に置き換えます。
その方法は以下のとおりです。
⓪ 日本語での言語体験記憶(A記憶)はすでにある
①英文の質問で問われた内容をイメージする。LUB
②イメージした内容を日本語で、しかし、語順は英語の語順、例えば、私は賛成です/着ること/、学校で制服を/ みたいな語順に置き換える
③語順を置き換えた日本語を、中学校で習った英語に置き換える。実際に、英文を書いてみる B記憶
I agree this opinion. Students should wear a uniform. Because ~
この①~③までの手順を20分くらいかけて丁重に教えました。
すると、最初はかなり手こずっていましたが、しかし練習問題に取り組めば、取り組むほど、この女の子の英文エッセイライティング力はメキメキと向上していきました。
正直、あまりの上達ぶりに私もビックリしたものでした。