その一言が、新しいあなたをデザインする
前回の記事では、「現状を超えたゴールを設定し、そこに向かう自分をイメージすることの大切さ」についてお伝えしました。
ゴールに向かう自分の姿をより鮮明に思い描くことで、新しいコンフォートゾーンが自然とつくられていきます。コンフォートゾーンとは、人が安心して自然に行動できる心の領域のこと。これをゴールにふさわしいものへと更新していくのです。
新しいコンフォートゾーンの臨場感が高まれば、そちらがあなたにとっての「現実」となり、それまでの古い現実は自然に薄れていきます。すると、これまで気づかなかったゴール達成の道筋を、無意識が見つけてくれるのです。
また、「わたしには無理かも」と思っていた自分への期待も、「わたしならきっとできる」に変わっていきます。これが、エフィカシーが高まった状態です。
エフィカシーとは、「ゴールを達成できるだけの力が、今の自分にある」と信じられる感覚のことです。
ここまで読んでこられた方はお気づきかもしれません。
コーチングとは、「ゴールを設定し、エフィカシーを高めていくこと」に他なりません。
では、そのエフィカシーをどうやって上げればいいのでしょうか?
さまざまな方法がありますが、今回はもっとも基本で効果的なもの――セルフトークのコントロールをご紹介します。
セルフトークとは、私たちが日ごろ無意識に自分自身に語りかけている言葉のことです。1日に5〜6万回もの言葉が頭の中を流れているとも言われます。
ぜひ一度、5分間だけでも自分のセルフトークを紙に書き出して、「見える化」してみてください。
わたしも実際に試してみましたが、セルフトークのコントロールの効果は抜群です。
とはいえ、最初は前回ご紹介したホメオスタシスの反応のせいで、ネガティブなセルフトークが反射として返ってくるかもしれません。
しかし、あきらめずに続けていくと、前向きなセルフトークに自然と書き換わっていきます。

ある朝ふと、「今日はうまくいきそう」と口にした自分の声に驚いたとき、変わり始めている実感が湧いてきました。
言葉(セルフトーク)が人生を決めると言っても過言ではありません。
たとえば、何か失敗したときに――
• 「しまった」
• 「またやってしまった」
といった言葉を、つい口にしていませんか?
これらのセルフトークは、無意識に「自分はダメなんだ」と刷り込み、エフィカシーを下げてしまうのです。
これを防ぐには、言葉を意識的に置き換えていくことが必要です。
セルフトークの置き換え例
• 「しまった」→「わたしらしくなかった」
• 「またやってしまった」→「本当はできるわたし。今回は少しだけ調子が出なかった。次はこうしよう」
• 「うまくいったけど、たまたまだ」→「これこそ、わたしらしい結果だった」
このように、失敗と思われることをしてしまっても自分を否定せず、成功を「自分の力」として認めることが大切です。
ゴールのコンフォートゾーンを強化するには、エフィカシーを下げないこと。
そして、肯定的なセルフトークを展開していくことが大切です。
日々の小さな言葉の積み重ねが、あなたの未来をつくっていきます。
だからこそ、自分にかける言葉を、いまこの瞬間から大切にしていきましょう。
そのひと言が、新しいあなたをデザインしてくれます。
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