「新しいわたしのデザイン」—現状を超えるゴールの描き方
『新しいわたし』をデザインするには、まず現状を超えたゴールを設定する必要があります。
それは「ちょっと頑張れば手が届く」ような未来ではなく、今の自分には到底無理だと思えるほど大きな未来です。
たとえば──
•「英語が少し話せるようになりたい」ではなく、「世界に向けて自分の言葉で語る」──英語で自分の会社の代表として国際カンファレンスで登壇する
•「副業で月5万円」ではなく、「社会に変化をもたらす存在になる」──社会に大きな影響を与えるビジネスを創る
•「地域で貢献したい」ではなく、「文化の担い手として世界とつながる」──世界中の人に向けて文化発信をしたい
このように、現状の自分とはかけ離れたゴールこそが本物です。
ただし、現状の外にあるゴールは、あまりに遠くて**臨場感(リアリティ)**を感じられません。
その世界はぼんやりしていて、あまりにも遠い。けれど、それでいいのです。
**イメージできないからこそ、それは“現状の外”**なのです。
なぜそこまで突飛なゴールが必要なのか?
それは、「今の延長線上の目標」には、常に「できるか・できないか」の判断がつきまとい、安心できる範囲(コンフォートゾーン)から出られないからです。
コンフォートゾーンとは、あなたとあなたを取り巻く世界との関係性が安定して保たれている領域のこと。この領域が変わらない限り、見える世界も、現実も変わりません。
なぜなら、私たちには「ホメオスタシス(恒常性維持機能)」があるからです。ホメオスタシスとは、ある一定の状態を維持しようとする機能のことです。
あなたが『新しいわたし』を描こうとしても、ホメオスタシスが無意識のうちに変化にブレーキをかけてしまうのです。
ホメオスタシスを「逆方向」に使う
ではどうすれば、現状を超えた未来に向かえるのでしょうか?
そのカギが「ホメオスタシスを逆方向に働かせる」という考え方です。
それは臨場感を有効活用するということ。
コーチングでは臨場感が大事
けれども現状を超えたゴールの世界は、イメージできない場所。
つまり、臨場感が乏しいのです。
臨場感とは、あたかもその場にいるかのような感覚や雰囲気のこと。
たとえば、雨音を聞きながら読書していると、物語の世界にぐっと入り込んだ気分になる──そんな感じです。
矛盾を解消するには?
それは、ゴールに向かう自分の“今の姿”を鮮明にすること。
この姿こそが、新しいコンフォートゾーンになります。
まずは、イメージの中で『新しいわたし』をデザインしていきましょう。
まずは、こんな感じで仮のゴールを設定してみましょう。
あなたが日々清掃の仕事に携わっているとして、「世界的なレストランのオーナーになる」というゴールを掲げたとしましょう。
きっとこんな疑問が湧くかもしれません。
「世界的なレストランって、どこ?」
「オーナーって、何をしてる人?」
たとえば、「Noma」(デンマーク・コペンハーゲンの世界的に有名なレストラン)や、ミシュラン三つ星レストランのような存在を思い浮かべてみてください。
そんな場所を自分がつくるなんて……と思うかもしれません。
ここで、ゴールに向かっている自分の姿を思い浮かべます。
たとえばこんな姿──
- 世界的なレストランについて調べている自分
- 飲食業界の動向やビジネスモデルを学んでいる自分
- 実際にどこかの店で修業を積んでいる自分
こうした姿を、目を閉じて頭の中で思い描きます。
あなたの目線から外の世界を見ているようにイメージしてみてください(これをビジュアライゼーションといいます)。
情動を“コピペ”しよう
過去の楽しかった思い出を引き出し、その**情動(emotion)**を今のイメージに貼り付けてみましょう。
この作業が楽しくて仕方ない──そんな感覚が大事です。
見える世界が変わってくる
何度もビジュアライゼーションを繰り返すうちに、あなたの目に入る情報が変わってきます。
たとえば:
- 仲山今日子さんのような著名なフードジャーナリストの記事が急に気になる
- Japan TimesやNew York Timesの週末グルメ特集が目に留まる
それまでもネットに情報はあったはず。新聞も、コンビニに並んでいたはず。
でも、コンフォートゾーンが違ったので、あなたの視界には入ってこなかったのです。
コンフォートゾーンが変わる=現実が変わる
情報との関係性が変わる。
すると、現実も少しずつ変わっていきます。
見える世界が変わると、見えるチャンスも変わる。そして、選ぶ行動も、周囲の反応も、変わっていくのです。
『新しいわたし』は、こうしてデザインされる
最初はゴール達成までの道のりが見えなくてもかまいません。
ゴールに向かう自分の姿を鮮明にすることで、新しいコンフォートゾーンの臨場感が高まり、
やがてそれがあなたにとっての新しいリアルになっていきます。 そうして、『新しいわたし』は、少しずつ、確かにデザインされていくのです。
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