抽象度の高いゴール設定により圧倒的な影響力をもったチョコレート会社の話

抽象度の高いゴール設定により圧倒的な影響力をもったチョコレート会社の話

2020-02-16

先日はバレンタインデーでした。

 

前はゴール設定とチョコレートを絡めて説明しました。

 

今日は抽象度とチョコレートを絡めて説明します。

 

抽象度とは、簡単に説明すると視点の高さのことです。

※詳細な説明は省きます

 

 

たとえば、自分一人が幸せになるよりも、家族が幸せになる方がいい。

 

さらに、地域の人が幸せになるといい、日本中の人が幸せになるといい。もっといえば世界中の人が幸せになるといい。

 

自分の幸せよりも、世界中の人の幸せを願う方が俯瞰した高い視点です。

 

実は、視点が高い方がエネルギーが湧きます。

 

 

家の2階の屋根から物を落とすよりも、東京スカイツリーから雪だるまを落とした方が破壊力がありますよね。

 

これは位置エネルギーが運動エネルギーに変化したために起こります。

 

視点も同じです。視点の高いところから、具体的な行動に移すととてつもないエネルギーが生じます。

 

これが抽象度のエネルギーです。

 

 

 

この原理を応用したチョコレート屋さんが京都にあります。

 

名前はDari K

 

このDari Kの創業者は、チョコレート業界のある問題点に気がつきました。

 

それはチョコレートの原材料であるカカオ豆の生産者は、自分たちのカカオ豆が一体、どこで何になっているのか分からないということ。

 

 

自分たちが採ったカカオ豆なのに、一度市場に出回ると投棄の対象となって高くて、買うことができないという問題点に気がつきました。

 

 

この問題を解決するために、創業者はそれまで勤めていた大手外資系金融機関を辞しました。

 

貯金を全部はたいて、自分で直接、生産者からカカオ豆を買い付け、起業したのです。

 

 

またDari Kの創業者の方が考えた、もう一つの問題解決法は、生産者の方が簡単にカカオ豆からホットチョコレートに加工できるミルの開発です。

 

 

なぜならば、現地の生産者は自分たちのカカオ豆の次工程はおろか、それの加工法がわからなかったからです。

 

自分たちも、そして現地の生産者の幸せを考えたのですね。これが抽象度、高い視点です。

 

 

とはいえ、カカオからホットショコラをつくるミルをつくるには、高い技術力が必要です。

 

一介のチョコレート屋さんがおいそれと作れるものではありません。

 

すると、なんと!日本の大手電機メーカーが協力して作ってくれたのです。

 

メーカーの担当者いわく、Dari Kのプレゼンが琴線に触れたとのこと。

 

プレゼンをしながら、Dari Kの創業者は高い抽象度から、相手(メーカー担当者)の臨場感に落とす。

 

言い換えれば、高い理想を情熱や想いを込めて語ると。

 

心は書き換わってしまうものです。

 

 

さて、このホットショコラのミルを携えて、フランスのサロン・ド・ショコラに切り込みました。

 

日本はおろか、世界中でこのようなミルは他にはありません。

 

すると、どうでしょうサロン・ド・ショコラの会場で、『うちに売ってくれ』と引き合いが殺到したようです。

 

今後はミルを汎用化して、世界中のカカオ生産者に届くようにして、世界を変えていくことが目標のようです。

 

これがThe 抽象度の威力であり、抽象度の高いゴールが世界を変えていくのです。

 

 

Dari K(ダリ―K)

https://www.dari-k.com/

 

 

参考資料

BSスペシャル 『チョコレートで世界を変える日本人たち』

2・11(火) NHKBS1にて放送

 

 

 

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