本当の自分とは何なんだろう。
今の自分は自分ではない。
本当の私はいずこに。
あなたはこのように思ったり、考えたりしたことがないでしょうか?
このブログの表にも『本当の自分を取り戻す』と書いてあります。
でも、先に答えから言うと『本当の自分なんてない』です。
こんなことを言うと、あなたはおそらく真剣に自分のことを考えているのに、ふざけるなと怒るかもしれません。
ごもっとも
でも、よく考えてみてください。
あなたという存在を言い表すときに、
・私は〇〇高校出身です
・私は△△会社に勤めています
・私の趣味は映画観賞です
・私が尊敬する人物は××です
・私は・・・家の長女です
などと、自分(私)と関係する対象も一緒に語っていませんか?
むしろ、自分ではなくて自分と周囲との関係について語っています。
つまり、自分について語る際には、必ず自分と周囲との関係性を表す必要があるのです。
自分について語るつもりが、気がつけば、自分と周囲の関係を語っています。
これは高校時代に数学で習った点を表すときと同じです。
点を表すときに、周囲にコンパスで円を描きました。
でも、先生が『この点は面積がない、便宜上点(そういうものがある)としているだけで、線も同じくだよ』と言っていませんでしたか?
『点はあると言えばある。ないと言えばない』です。
自分や私も全く同じです。
残念ながら周囲との関係上、あると言えば、ある。けれど、ないと言えば、ないのです。
もっと言うと、面識がないのだから、あると言えるのか極めて微妙な今日この頃です。
しかし、多くの人は『いや、自分はある。自分の名前はXXXで、今だってここに存在しているじゃないか?』と憤ることでしょう。
でも、外国の特殊部隊に気絶させられたのち、誘拐されて別の国で目を覚ましたことを考えてみてください。
あなたは、あれ私って、なんでここにいるの? と思って、必死に抵抗したとしても、
周囲から、『姫、あなたは昔からここの国で生まれ育って、名前はYYYですぞ』という迫真の反応をみせられれば、ほどなくして、その状況を現実として受け入れるに違いありません。
こうなると、そこにいるあなたは拉致される前のあなたではなくて、どこかの国のお姫様です。
こう考えてみると、もしからした本当に、自分はいないのかもと思えませんか?
否、いるかもしれません。
一体どっちが正しいのでしょう。
ただ確かなのは関係性次第で、自分は変わるということ。
結構、気分屋ですね。
別の例で解説します。
高校デビューする女性がいます。
中学の頃まで、大人しい友達と付き合っていた人が、高校入学後に目立つようになります。
中学生の頃は、友達との関係を乱してはいけない、との理由で本当はもっと自分を出したいけど、無意識のうちに大人しく振舞ってしまいます。
でも、高校に入って、目立つ友達とつるむようになると、自分も影響を受けてアカ抜けてきます。
さらに、少し不良の彼ができると、中学の頃は真面目だったのに、その女性も影響を受けてしまいます。
これが関係性が変わると、自分が変わる実例です。
さらに面白いことに、仮にこの関係性で規定されたポジションを変えようと試みる、例えば、地味なグループに所属しているのに、目立とうとすると周囲から反発を受けます。
この関係性を保持しようとする力、これをホメオスタシスといいます。
※だから自分を変えたければ、自分ではなく、関係性を変える必要があります
以上が、自分なんてない現象の説明です
自分なんてなんてない、ゆえに、本当の自分を取り戻すことを考えても、それは無駄な抵抗ということになります。
とはいえ、本当の自分についていろいろと内面を探ってみたいのが人間というもの。
とくに女性陣には多いと聞きます。
そんな時に、どうすればいいのか?
以前、自分の存在は周囲との関係性で決まると書きました。
もっと厳密にいえば、今この瞬間の周囲との関係性にあるのが自分です。
この解釈では、まるでショック療法みたいですが、本当の自分は、今この瞬間の自分だと見なせます。
しかも、この自分は一瞬一瞬でアップデートできます。
なぜならば、自分と周囲との関係性は一瞬一瞬で違うからです。
例えば、今あなたはパソコンなり、スマホでこの記事を読んでいることでしょう。
でも、このパソコンやスマホが古くなったら、あなたはそれらを捨てる、もしくは業者に引き取ってもらいますよね。
その瞬間に、あなたとそのパソコン、スマホとの関係性は解消されます。
もし新しい機種を買うことを選べば、次の瞬間に新しいそれらとの関係性にアップデートされています。
瞬間というのがミソで、時間とは瞬間と瞬間がバラバラに散らばった状態です。決して、連続しているわけではありません。
昔のフィルムの映画みたいな感覚です。
フィルムは一秒間に24枚のコマを流していたので、あたかも連続した動画のように見えました。
24分の1枚のフィルムの中に、表してないところも含めて、映画におけるすべての関係性が詰まっていました。
それは本当の映画と言っても差し支えないでしょう。
私たちも同じ。
今この瞬間は、自分と周囲との関係性が結実した結果です。
そして関係性は時間と空間を超えています。
言い変えれば、この一瞬に今も未来も過去も含まれているということです。
だから、今の自分が本当の自分と見なせます。
同時に、これは次の瞬間は、また違う自分がいるということ。
そして、それは昨日よりアップデートされています。
なので、今がこの瞬間にいるのが最高の自分であり、本当の自分です。
とは言え、油断すると、昨日の自分の方が最高だったとダウングレードしてしまう恐れもありますので気を付けてください。
ということで今回の記事をまとめます。
本当の自分は周囲との関係性によって決まる。
なので、あるようで、ない。逆に、ないようで、ある。
どちらとも言える。
とはいえ、リクエストに応えて、もし本当の自分があるのならば、今この瞬間の自分が本当の自分であると見なせる。
そして、この本当の自分を超えたところに、ゴールを設定することが、“あなたが探し求めている本当の自分”を発見する鍵になります。
つづく
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