ゴール設定と情報分析 ~救国の女神、そしてインテリジェンスなビアガーデン~

ゴール設定とはインテリジェンスである。

 

インテリジェンスに関する説明を行うには膨大な分量を必要とすることが見込まれる。それゆえ、順次そのエッセンスを公開していく。

 

インテリジェンスとは、意思決定者がそのゴール達成において、玉石混合に散らばる一般的な情報(インフォメーション)を分析して、達成に必要な情報(インテリジェンス)を拾い上げる英知を結集した知的作業のことを意味する。

※以下はインテリジェンス、インフォメーションと表記。

 

インテリジェンス(Intelligence)は英知という意味合いも含む。

 

 

元々は国家のゴール達成、とくに軍事分野において使用される概念であった。近年では企業の存続を掛けて売り上げ等を伸ばす等、ビジネスの分野にて民生転用されている。

 

ゴールを設定をすることによりRASがオープンとなり様々な情報が目に飛び込んでくる。これがインフォメーションであり、さらにその中から、ゴール達成に真に必要な情報がインテリジェンスである。

 

インテリジェンスから行動に繋げて、次にゴールの更新に連なるプロセスをインテリジェンスサイクルと呼ぶ。

 

国際ジャーナリストの手嶋隆一氏によれば、インテリジェンスとは『物語を紡ぐこと』であると形容している。

 

どういうことか?

 

例えば、日本の首相、すなわち政権が『日本政府(現政権)は某N国に拉致された人々を救出して、拉致被された人々を決して見捨てないという意思を世界にアピールすると同時に、国内世論の支持率を上げて現政権の延命を図り国家百年の大計を図る』というゴールを設定したとする。

 

ゴールに先立ち、N国の人口、気象情報、歴史、文化、はたまた拉致された人々が拉致された場所、監禁されていると思われる場所、

 

一方で我が方が某国に派遣する秘密エージェントに関する情報、作戦自体が国内に漏洩しないように世論の関心を別に向けるための事件に関するインフォメーションがさまざまに点在する。

 

この中からゴール達成に必要なインテリジェンスを抽出し、救出を成し遂げ、政権の土台を盤石して、国家百年の大計という物語を成し遂げることがインテリジェンスサイクルである。

 

例えば、某国の首都の平〇の冷麺に関する情報は救出作戦ではインテリジェンスには含まれない。ゴール設定が日N国の国交樹立と通商関係の構築であり、そのために平〇への使節団を派遣するというゴールであれば、冷麺に関する情報もインテリジェンスになりうる。

 

しかし、拉致された人々を見張っている兵士たちが冷麺の出前を取っており、その中に痺れクスリを盛るという作戦を思い付けば冷麺の情報も立派なインテリジェンスである。

 

他に、平〇の気象、日没時間等の把握は救出作戦のインテリジェンスとなる。これをもとに『雨の夜に救出作戦を決行』するという計画を立てられるし、エージェントが沖合で待機する潜水艦との会合場所までの海象は貴重なインテリジェンスである。

 

 

なお、平〇使節団の場合も、天候はインテリジェンスになりうる。理由は、天候によって訪問する場所が変わる可能性があるからだ。

 

このようにインフォメーションの中から、何がインテリジェンスになるのかはゴールによってダイナミックに変化する。

 

別の角度から説明するとダイナミックな変化とはまさに縁起であり、インテリジェンスとは縁起を紡ぐ英知とも言い表すことができる。

 

ゴールにより意思決定主体である国家やそこに所属する情報分析担当者のRASがオープンになることにより、数多(あまた)のインフォメーションからインテリジェンスが精製されるのである。

 

なおインテリジェンスは個人にも応用可能だ。

 

ここで今までが専門的すぎて、良く分からない人向けに別の個人的な例を提示する。

 

来月にある女神とビアガーデンを目下計画中である。

 

本件に関して、情報分析担当者は会場選びに関して、大阪市内の無数にあるビアガーデンのインフォメーションを集める必要がある。

 

この中でビアガーデンが実施される梅田周辺のインフォメーションを分析して、インテリジェンスを精製するわけだ。

 

梅田周辺から離れていればインテリジェンスとはならない。

 

女神より『いいんだけど。家から遠いんだよね』という返答が返ってくのがオチである。

 

女神が電車一本、もしくはタクシーにて1,000円以内で帰宅できる場所を発見できないと情報分析担当の失格の烙印を押さる。『ダメだねー』である。

 

余談だが、本当のところは情報分析担当者が玉石混合のインフォメーションの中から、選りすぐりのインフォメーションを拾い上げでも、最終的には女神が行きたいお店の情報が送られてくるのが通例だ。

 

要は、最終的には女神の意思のより会場が決まるという算段だ。

 

しかしこれは茶番ではない。ビアガーデンに至るまでの大切な物語の一コマだ。仮に当日、雨が降ったり、会場に何ならかのトラブルがあったりした際に、それまでの過程で調べ上げたインテリジェンスが輝きを放つのである。このインテリジェンスが素材となってinvent on the wayで代替策、代替案の発見に繋がるのである。

 

このように茶番も抽象度を上げた視点で考えれば、この一連の流れも物語を紡ぐ作業、すなわち、インテリジェンスと解釈される。

 

 

以上 来月7月29日に大阪市内でビアガーデンを計画しているので、良かったら来てください。あの女神(お酒の神笑)も来るよん。