ザ・コンフォートゾーン経営

ザ・コンフォートゾーン経営

先日そのお店へ行ってきた。扉を開けると店員さんから一言「表の張り紙を見て頂けましたか?」と尋ねられ、「はい」と答えて店内に入る許可を頂いた。僕はお客なのだけど許可を頂きました。

店内に入るとピーンと張りつめた空気感を感じた。マスター 対 お客の真剣勝負の場だ。こんなに緊張するのは松江市内にある某Jazz Bar以来だ。

メニューを見て、平均でコーヒ一杯3,000円。結構なお値段だ。他のお客さんも口数が少ない。何か真剣にコーヒーと会話をしているように見えた。昔のJazz喫茶ってこういう感じだったのかと思った。ちなみに、店内のBGMはビル・エヴァンスのピアノだ。うーん渋い。どこかに神経質さを感じるエヴァンスの旋律と、店内の緊張感が見事にマッチしており、何とも言えない雰囲気だった。

しかし、実際にマスターと話してみると非常に物腰が柔らかく、接客が非常に丁寧であった。まさにお客を選ぶ店だ。マスターのエフィカシーがよほど高いのだろう。30分しか店内におれず、かつ値段が高くてもお客さんがどんどんと入れ替わり立ち替わり入っていた。こんなに繁盛するのは、お客さんにとってのコンフォートゾーンだからだろう。これがザ・コンフォートゾーン経営だ。

不思議と自信(エフィカシー)が高い人の周りには人が集まってくるのです。

コーヒーの味そのものは、深煎りで正直僕にとっては苦いという感想しかない。しかし、浅煎りしか飲んだことのなかった僕には、まさにスコトーマだった。これがコーヒーかという衝撃を受けた。奥が深い。さすがマスターが昭和40年代から研鑽してきた味で、非言語で伝わる情報が多かった。

次回また行ってみよう。

店内には、自称鑑定士、生半可の通の入店お断りと書いてあった。

今度は違いの分かる男になれるのか。