2025-11-24

マウンティングされやすい私を卒業する

上から目線に疲れないためのマインドセット

静かに離れ、静かに勝つメンタルの整え方

職場やオンライン会議、SNSの中で
「なんとなくいつも上から目線で話してくる人」、いませんか。

こちらを下に置こうとしたり、
わざと難しい言葉や情報量でマウントを取りにくる相手に、
毎回モヤモヤするのは、とても消耗します。

けれども、マウンティングの多くは
「相手の内側の不安」をごまかすための行動です。

今回は、相手を変えようとするのではなく、
自分の思考の使い方を調整して
「マウンティングに強くなる」ためのヒントを
やさしく整理していきます。

① そもそもマウンティングとは何か

マウンティングとは、
会話や態度の中で「自分のほうが上だ」と
相手に示そうとする行動のことです。

たとえば、こんな場面があります。

  • 学歴や資格をさりげなく見せびらかす
  • 収入や暮らしぶりを繰り返し強調する
  • 「そんなのも知らないの」と知識を振りかざす

こうした言動の根っこにあるのは、
じつは「自分が下に見られたくない」という不安です。

ここで大事なのは、
マウンティングは相手の不安の問題であって、
あなたの価値の問題ではない、という切り分けです。

あなたの価値が低いからマウントされるのではありません。
相手が、自分の不安を受け止めきれないからこそ、
「上に立つ役」を必死に演じているだけなのです。

この事実を知っているだけでも、
心のダメージはかなり軽くなっていきます。

② マウンティングされやすい人の思考パターン

ではなぜ、マウンティングする人は
特定の相手を選んで狙ってくるのでしょうか。

そこには、される側の「思考パターン」も関わっています。

ケース1:A子さんの場合

入社5年目のA子さんは、企画会議で意見を出すたびに、
上司から「君はまだ若いから、わからないだろうけどね」と
前置きをされるのが恒例になっていました。

最初は「たしかに経験不足かもしれない」と
自分を納得させていましたが、
次第に「何を言っても否定される」と感じるようになり、
会議で口を開くこと自体が怖くなっていきました。

A子さんの頭の中には、いつの間にか
「波風を立てない私」が安全な状態=コンフォートゾーン
として定着しつつありました。

嫌われたくない、波風を立てたくない

真面目で優しい人ほど、
「空気を乱したくない」
「嫌われたくない」
という気持ちが強くなりがちです。

すると、相手に少し失礼なことを言われても
「私が気にしすぎなのかもしれない」と自分を責めてしまいます。
このタイプの人は、マウンティングする側から見ると
「押せば引いてくれる人」に見えてしまいます。

自分の価値を、相手の評価に預けてしまう

もう一つのパターンは、
自分の価値を、相手の評価で決めてしまうことです。

褒められたらうれしい。
貶されたら落ち込む。

ここまでは誰にでもありますが、
その振れ幅が大きすぎると、
相手の一言一言が「通知表」になってしまいます。

すると、マウンティングの一言が
そのまま「自分の価値」だと感じてしまい、
必要以上に傷ついてしまうのです。

「我慢する私」がコンフォートゾーンになっていないか

もう一つ、大切な視点があります。
それは「我慢する私」が、心の慣れた状態になっていないかということです。

いつも手前で自分を引っ込めて、
波風を立てない選択を続けていると、
その状態がコンフォートゾーンになります。

もしあなたのコンフォートゾーンが
「多少失礼なことを言われても我慢する私」
になっているとしたら、
そこから少しずつ抜け出していく必要があります。

③ マウンティングに強くなるためのマインドの使い方

ここからは、具体的に
「思考の使い方」をどう変えていくかを見ていきます。

ケース2:B子さんの場合(SNSマウンティング)

B子さんは、趣味で続けている習い事について
SNSにささやかな投稿をしていました。

すると毎回、同じ知人から
「それなら◯◯先生のほうがレベル高いよ」
「その資格、今どきみんな持ってるよね」
と、コメント欄やダイレクトメッセージで
上から目線の“アドバイス”が届くようになりました。

最初は「教えてくれているのかな」と受け取っていたB子さんも、
だんだんと投稿すること自体がおっくうになり、
スマホを開くたびに胸がざわつくようになっていきました。

ここから抜け出すきっかけになったのは、
「この人は、何に不安を感じているのだろう」と
一段高い視点から眺めてみることでした。

一段抽象度を上げて「観る」

マウンティングを受けた瞬間、
心はどうしても目の前の言葉に釘付けになります。

「そんな言い方をしなくてもいいのに」
「私、バカにされているのかな」

このとき、意識的に
一段上の視点に移動してみます。
ここでは、単に見るのではなく、
全体を俯瞰して「観る」イメージです。

たとえば、こう考えてみてください。

  • この人は、なぜここまで上に立ちたがるのだろう
  • どんな不安や劣等感を隠そうとしているのだろう

これは、相手を責めるためではなく、
出来事を「相手のマインドの問題」として
俯瞰して観る視点です。

視点を一段引き上げることで、
あなたの心は「傷ついた当事者」から一歩離れ、
「観察する側」に移ります。
この距離が、そのまま心のクッションになります。

「この人の行動は、不安の翻訳」ととらえる

次の一歩として、
マウンティングは「不安の翻訳」だととらえてみます。

たとえば、心の中でこんなふうに言い換えます。

「ああ、この人は今、
自分の価値が不安でたまらないのだな」

「私を下に置いてでも、安心したいのだな」

もちろん、実際に口に出す必要はありません。
自分の心の中で
「これは不安の翻訳」
とラベルを貼るだけで十分です。

ラベルを貼ることで、
相手の言葉を、自分に突き刺さる刃ではなく、
「ただの現象」として扱えるようになります。
これも、抽象度を一段上げた対応です。

その場でできる三つのミニ対処

それでも、現場では反射的に傷つきます。
そんなときのために、
その場でできる小さな対処を三つ準備しておきます。

一つ目は、意識的に聞き流すことです。
心の中で「また始まったな」とつぶやき、
相手の言葉のボリュームを少し絞るイメージをします。

二つ目は、質問で返すことです。
たとえば知識マウントをされたときに、

「その情報は、どこで知ったのですか」
「それは、どんな場面で役に立ちましたか」

と、淡々と質問してみます。
相手の一方的な「上から目線」を、
対等な会話の場に引き戻す効果があります。

三つ目は、境界線を引くことです。
話題を変える、その場を離れる、
連絡頻度を意識的に減らすなど、
物理的な距離を少しずつ取っていきます。

「感じよく距離を取る練習」ととらえて、
できる範囲から試してみてください。

④ 長期的に「マウンティングから遠ざかる自分」になる

最後に、もう少し長い時間軸で考えてみます。

本当に目指したいのは、
その場しのぎのテクニックではなく、
「マウンティングする人たちから、自然と遠ざかる自分」になることです。

張り合わなくていい世界をゴールに設定する

まず、心の中で
「張り合わなくていい世界」をゴールとして描きます。

  • 比較やマウントが前提の場ではなく
  • 互いの違いを認め合える場に身を置いている自分

そうした環境にいる自分が、すでに存在していると
イメージしてみてください。

そのイメージがはっきりしてくると、
自然と「今の人間関係や環境をどう整えていくか」という
発想が湧いてきます。

現状への違和感も、
単なる不満ではなく
「ゴールとのギャップ」として
冷静にとらえやすくなります。

大事な人にこそ、時間とエネルギーを配分する

次に、自分の時間とエネルギーの使い方を見直します。

  • 会うと元気になる人
  • 安心して弱音を吐ける人
  • お互いに応援し合える人

こうした人との時間を、
意識的に増やしていきます。

一方で、会うたびに疲れたり、
自己肯定感が下がる人との時間は、
少しずつ減らしていきます。

これは相手を否定することではなく、
自分の人生を丁寧に扱う選択です。

小さな成功体験を、きちんと自分で認める

そして何より大切なのは、
小さな一歩を、自分で認めていくことです。

  • 今日は上から目線の一言を聞き流せた
  • いつもなら笑ってごまかすところで、きちんとノーと言えた
  • 会うと疲れる人との約束を、一つ減らせた

こうした小さな変化を、
そのつど心の中で「よくやった」と言葉にしてあげてください。

自分で自分を認める回数が増えるほど、
他人のマウンティングに心を揺らされにくくなります。

マウンティングに強くなることは、
誰かに勝つことでも、
完璧な反論を身につけることでもありません。

相手の不安に巻き込まれず、
自分の価値を自分で決められるようになること。
それが、本当の意味での「静かな強さ」なのだと思います。

今日のどこか一つでも
「これならできそう」と感じたところから、
試してみていただけたらうれしいです。



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タグ: コーチング苫米地式コーチング苫米地英人

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