思考の抽象度の続きです。
前回は『戦略の階層』という思考の抽象度についての考え方から技術、戦術について説明しました。
今回説明するのは作戦と軍事戦略です。
軍事というと、とてもものものしい名前ですが、用語はオリジナルに忠実であることが大切なのでそのまま使用します。
③作戦
これは国レベルであれば尖閣諸島や原子力発電所警備やテロリストを入国させないように入国審査を強化することです。複数の戦術をまとめて個々の一つの場面で展開します。尖閣諸島という場面であれば海上保安庁の巡視船の後ろに、自衛隊の艦船や戦闘機を配置して『何かすれば撃ちますよ』というプレシャーを相手に与えることです。原子力発電所の警備という場面であれば電力会社と警察の機動隊、海上保安庁との連携強化です。入国審査という場面であれば警察や入管による連携が上げられます。
女の子の恋愛シーンでは、合コンや婚活パーティーを、一つひとつのイベント(場面)として区切って、それに個々に参加することです。そしてその際に、戦術の回で話したようにチームプレーやメイクやファッションが活きてきます。
英語や簿記の資格であれば、英語や簿記の技術を活かしてプロジェクトを立ち上げることです。このプロジェクトでの活動の中に、英語でディスカッションをすることや、資格に裏付けられた技術を活かすことができます。
コーチであれば、ブログ、メルマガ、YouTube、セミナーなどの情報発信をすることです。個々のブログ、メルマガ、YouTube、セミナーによる発信は戦術です。この戦術を束ねて情報発信という作戦を展開しています。
※一番下の下地が技術で戦術は真ん中のクリーム、作戦が上段の生地で、イチゴが軍事戦略に該当します。
④軍事戦略
軍事戦略は作戦よりも一段上の抽象度にあたります。
軍事戦略は複数の作戦を束ね(包摂)ます。
国レベルであれば、先の尖閣諸島警備、原発警備、入国審査を同時に運用することです。これにより個々の作戦が点であると考えれば、それが面になりより安全保障が強化されます。
女の子の恋愛であれば、今週末は会社関係の合コン、来週はお見合い、その次は友達からの紹介といった具合に、それらのイベントを同時にこなしていくことです。これにより恋人なり結婚相手と会える確率が高まります。要するに、網を張ることです(笑)
英語や簿記の資格であれば、その資格にもとづく技術を活かして起業して業務に携わることです。起業した会社の中で、プロジェクトを複数回します。この中でしっかり戦術レベルのディスカッションや技術レベルの資格が活きています。
コーチであれば情報発信を駆使して、マーケティングに昇華させます。情報発信から得たフィードバック、つまりPVやお客様の声を総合して分析して、次の一手を打つことです。なお、コーチング業界ではマーケティングが上手な人が実際に資格や技術を持ったコーチよりも活躍しており、それがケシカランという風潮がありますが、戦略の階層に照らし合わせば、当たり前の事象が起こっているに過ぎません。
以上が作戦と軍事戦略のレベルです。
今回までで、①技術、②戦術、③作戦、④軍事戦略について解説しました。
なお、このレベルまででしたら大概の人は無意識に実行しており、皮膚感覚で意味が分かると思います。
『戦略の階層』では、思考の抽象度をこれよりも上に持っていけるのか否かが、成功者とそうでない人を区別するラインと言われています。
続きは次回へ。