今回も副産物シリーズです。
前回は音楽、音について説明しました。
今回は色彩や明るさに焦点をあてます。
色彩と光度
今まで色や光度について今まではあまり意識していませんでした。
しかし、色彩の重要性が高まり、スコトマが外れました。
色から読み取る情報量が段違に多くなりました。
さて、人間は情報の8割を視覚から入手していると言われています。
なので人間にとって色彩や光度は購買活動に大きな影響を与えます。
前回、渋谷の街のお店を調査していた時に、駅横にある八百屋さんに人だかりができていたのを覚えています。
その時は、とくに意識していなかったのですが、やけに店内が明るかったと記憶しております。
https://mindresque.jp/2015/10/06/%E3%83%86%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%81%AF%E6%B8%8B%E8%B0%B7%E3%81%AE%E8%A1%97%E3%82%92%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E3%81%9B%E3%82%88%E3%80%80%E3%82%B9%E3%82%B3%E3%83%88%E3%83%9E%EF%BC%88%E7%9B%B2%E7%82%B9%EF%BC%89/
品質のいいものを取り扱っていることに間違いはないでしょうが、
その店の明るい照明の下でトマトは真っ赤、レタスは緑、バナナは黄色といった具合に色艶ともに輝いて見えました。
なるほど、これなら、野菜が苦手な私でも惹かれてしまいます。
また、人間は無意識のうちに明るい所に惹かれる習性があります。
夜間、真っ暗な道を歩いていると明るい照明のコンビニに誘われるようにして入ったことがあるのではないでしょうか。
その八百屋さんにも、多くの人が入っていました。
人が集まるところには、人が集まります。
立地などの他にも加味する条件があるでしょうが、その八百屋さんは間違いなく色彩や照明を意識しておられると感じます。なかなかの策士です。
人間の心をコントロールするための光度や色彩の調整はいろいろなところで見受けられます。
例えば、化粧品売り場では、柔らかな光で顔の輪郭やしわが目立たないように、ぼかすように計算されています。
ディアスカウントストアでは店内の照明は暗いけど、お店の側が売りたい商品にだけスポットライトがあったかのように光が照らされています。
色彩の問題
赤は、人々の神経を刺激して興奮を覚えさせます。
青は、落ち着いたリラックスした雰囲気を与えます。
赤い部屋にいると30分くらいしかいなくても1時間はいたというような錯覚に陥ります。
ファミリーレストランなどが、赤を基調とした暖色系なのは、楽しいイメージや、食欲を喚起させるためです。
少しの時間居ただけでも、十分過ごしたような満足感を与え、回転率を上げるためです。
カジノの基が赤なのも同じく、お客を興奮させて、時間の流れをゆっくりと感じさせるためです。
反対に、青い部屋だと1時間いても30~40分いたような錯覚に陥ります。長距離バスや電車のシートなど、実際は長く乗っていても短く感じるような仕掛けが施してあります。
浦島太郎が青い海の竜宮城に行き、そこで楽しい時間をあっという間に過ごして、地上に戻った時に、おじいさんになっていたという話はなるほど的を得ています。
色彩と光度の相関関係
店内を一方は青、もう一方を赤に近い暖色系のオレンジにして光度との関係を測る実験が行われました。
照明が明るければ青の店舗の方が売り上げが多く、落ち着いた照明ではオレンジの方が消費者からの評判が良く、売り上げも増えたとのことです。
色彩をゴール設定に活用
せっかくのなのでコーチング理論と色彩を結び付けてみましょう。
具体的には目を閉じてボーっと(変性意識状態)しながらゴールを思い浮かべるときに、赤いペンやのノートを観るようにします。無意識下で、この未来の記憶と赤を結びつけるのです。
何度かやってみてください。上手くいけば赤を見るたびにゴールを思い出し臨場感が増します。
映画ロッキーのテーマ曲を聴いたら、なぜか闘争心が湧くような感覚です。
アンカーとトリガーを使ったテクニックです。
赤を見たら脳内のドーパミンが放出されて、早くゴールを達成したいという気持ちにさせてくれます。
この方法は昔私が某財閥系の工場で働いていた時に体感しました。そこは世界に冠たるシンボルが目印のグループ会社です。社員・従業員はその会社よりもそのシンボルに対してプライドを持っていました。
「俺はこの○○グループで働いているんだ」みたいに。
そのシンボルを観ると、確かにそんな気分がしてきたのを覚えています。脳内で、ドーパミンが放出されたのでしょう。
工場内のいたるところにそのシンボルが貼ってあり、見るたびに誇らしい気持ちを思い出します。
また作業服にもそれが縫い付けてあり、お互いが見るたびに誇らしい気持ちと、相互間で強烈な信頼関係(ラポール)を形成するのに役立っていました。
余談ですが、北朝鮮では、人民に金日成バッジを付けさせて体制維持のための臨場感を形成させています。
さて、その会社のシンボルはテレビを見ても、街の看板でも目にするので臨場感が半端ではありませんでした。休暇中に仕事を思い出してちょっと嫌な面もありましたが・・・。
これと同じ臨場感をゴールと色の関係で構築することができます。
上の会社や北朝鮮の例は、統制する側がされる側に意図的に仕掛けていましたが、自分を統制する側、つまり自分自身が意図的にゴール達成のために使用するのです。
特定の色を観るだけでゴールへの臨場感が増す。とても有効なテクニックなのでお試しください。
まとめ
色彩と光度は人間の心理に大きな影響を及ぼす。購買活動では、仕掛ける側は巧みに利用している。
ゴール設定に、色彩を取り組めばより臨場感が増す。
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