現代の秘密戦士に告ぐ。
秘密戦士とは旧日本軍において、その任務を秘匿として、身分を隠して敵の深い所に潜り込み、戦局が有利になるよう貴重な情報を収集したり、様々な破壊工作に従事したりした。
旧日本陸軍の中野学校がその養成校として有名である。
陸上自衛隊であれば○○学校になるのかもしれない。
どちらとも、目的は戦争に勝つため、もしくは抑止力として、日本国家の意思を成し遂げるため。
早い話が、国家のゴールを成し遂げるためである。
戦士たちは命令に忠実である。
訓練は、今も昔も熾烈を極めるに違いない。
一方で、コーチングを実践されている皆さんも、自分の意思を成し遂げるための秘密戦士です。
任務遂行は自分のため。自分のゴール達成のための秘密戦士である。破壊工作とは対照的な、創造的な任務に就く。
社会に対しての機能提供活動、価値提供活動を展開する。
残念ながら、コーチングを実践する人は、まだまだ日本では少数派。正直なところぶっ飛んだゴールを話しても、瞬時にドリームキラーから包囲され、思想改造せよとの目に遭うだろう。
彼らから突き付けられる罪状は、『俺のコンフォートゾーンを乱しやがって罪』。
彼らにとっての『秩序維持法違反』である。
ということで、検挙されないためには、ゴールは誰にも言わずに、隠密裏に自分の自由意思に基づくゴールを粛々と達成する必要がある。
とはいうものの、人間にはホメオスタシスという機能が働き、周囲の人となぜか心の中が繋がっている節がある。
例え、ゴールを公言しなくても、何か不穏な動きを見せたらすぐに牽制に掛ってくるだろう。
この時のドリームキラーは、防諜機関(スパイを摘発する機関)なみの嗅覚の鋭さを兼備えている。
ゴールを目指す側の戦士たちはこれを上手くまく必要がある。
しかし、状況をそれが許してくれない場合もある。
親や学校の先生、上司から『いいか。人生というのはだな』『お前のためを思って』と説得されるだろう。
繰り返すが、間違っても、ココではゴールを公言しない。
『そんなの無理!』『バカか』と言われてしまうのがオチだろう・・・。
ということは聞いたフリ作戦が有効だ。また誰の話を聞くのかは取捨選択が重要だ。
あなたが上記の人々の言葉を受け入れたとたんに真実となる。
あなたの心に投げかけられたネガティブな言葉が、あなたの心の中(内部表現)に焼き付けられる。
その焼き付けられた言葉に対して、その言葉の通りになるようにホメオスタシスはフィードバックを取る。
こうして自分はダメな奴という自己イメージが形成され、周囲の人間もそれを補完しようとする。
ここで大事なのはインテリジェンス(intelligence)。
インテリジェンスとはあまり聞きなれない言葉かもしれない。
主に軍事の世界で利用されている。
簡単に言えば、皆さんは他人との関係において、いろいろな言動を受け、行動をして、また感情までも影響させられている。
インテリジェンスとは、あまたの情報(information)の中から、ゴール達成に必要なものだけを選び抜き、適切な行動に落とし込むこと。
※コーチングで使われている『識としての情報』とは意味合いが違います。
ゴール設定から、達成までの一連の流れをインテリジェンスサイクルを回すと表現する。
ゴールに必要のない感情にも囚われない。最初は難しいだろうが、慣れてくれば、というかゴールが明確になれば、気にならなくなる。
重要性が低下するからだ。
幸いなことに我々の脳には計算の許容量がある。重要な事柄は認識に上がるが、それ以外は相対的に低下する。
ゴールのことであたまが一杯になれば、ゴール以外に関係ない事柄は気にならなくなるのである。
ゴール達成という戦略において、必要な要素(思考、言動、行動)をいかに運用するのかで勝負は決まる。
全ての戦略の基礎には、良質の情報と正確な情勢判断がある(岡崎久彦)
上田篤盛『戦略的インテリジェンス入門』並木書房 P280。
上の格言を抽象度高く解釈すれば、ゴール設定が大切だということだ。ゴール設定次第で情報は、活かされるし、ゴミにもなる。
この前提条件を間違えると時間を無駄にしてしまう。
正しい人事のために4時間をかけなければあと400時間とられる。
P.F.ドラッカー 上田惇生訳 ドラッカー365の金言 P123。
繰り返すが、皆さんが果たしたいのは他人の意図ではなく、自分自信が叶えたいゴール。
達成を祈る。