負のスパイラル
合宿からの帰り道、とても残念な光景に出くわしました。
帰りの電車の中で、あるお母さんが、お子さんを叱っていました。
その叱り方が、人格否定そのもの。
周囲の人も引いている感覚が非言語で伝わってきました。
お母さんが、子どもに対して『あなたは悪い子』だと責め続けていました。
これを聞いた子どもはショックを受けます。また、私は悪い子だという自己イメージを持ってしまいます。そして、そのように振る舞ってしまいます。
子どもは『なぜ自分がそのように振る舞ってしまうのか』分かりません。
10歳にも満たないであろう子どもが理論を理解しているとは思いません。
お母さんは『なぜ、何度言っても分からないの?』と執拗に怒っていました。
このような場合は、何度も言えば言うほど、子どもの自己イメージを強化するだけです。
子どもの自尊心は低下していくだけです。
そして、同じようなことを繰り返します。
負のスパイラルです。
このお母さんは、自分が子どもを落としめているのに気付いているのでしょうか。
そもそも、私も子どもとして経験がありますが、よく分からなく本能のままに赴くところがあります。木に登るとか、障子を破くとか。
もしかしたら、このお母さんも分かっていて止められないのかもしれません。
このお母さん自身の、自尊心が低く、この低い自尊心を子どもに投影しているのです。
では、このお母さんが悪いのかというと、一概にそうとも言い切れません。
もしかした、このお母さんも自尊心が低くなるような環境に身を置いてきた、または職場から低い扱いを受けているのかもしれません。
その背後には、自尊心を低くする世の中が存在します。
恐怖で部下をコントロール
職場でも同じです。
かつて取引先で毎日、上司から叱られている人がいました。取引先の私たちの前でも、執拗に叱り続ける。
この場合も、執拗に叱り続けるから、叱られるようなミスを引き起こすのです。
上司としては、恐怖心を利用して部下をコントロールしたい。確かに、部下は一時的に命令や指示を聞くのかもしれません。
しかし、最後は間違いなく叱られるようなミスを引き起こします。
そのイメージが払しょくできない限り、そうなります。
社会人として日が浅かった私は、社会は何と厳しいところだろうと思っていましたが、今振り返ってみると異常な光景です。
日本では何故か、それを根性で跳ね除けろ、仕事で見返せと言われます。一見もっともらしく聞こえますが、実際はうつ病を誘発してしまう確率が高いことでしょう。
組織としても大きな戦力ダウンです。
低い自尊心を維持しようとする社会
この背後にも、自尊心の低い社会があります。その低い自尊心からは誰も得をしない常識が生み出されます。
残念ながら、自尊心の低い人が力を持ったり、ご意見番として影響力を持ってしまったりするケースがあります。
この方々の信念から外れると、その立場を利用して、誰も得をしない常識を後ろ盾に、自尊心の低い社会を維持することに努めます。
それに賛同する人々も、自尊心が低いがために、その影響力のある人に自身の姿を投影してしまいます。
まさに、情報空間におけるホメオスタシス。
こうして、コンフォートゾーンが維持されていくのです。
さすがの私も、社会がこのままではまずいと考えさせられました。
最近の風潮として、最近はその様な引き締めが一層と強いと感じます。
コレクティブ・ネガティブです。
ネガティブというか、他者攻撃。
介入が必要だ
コーチングに関して、私は、必要な人が見つけてくれれば良いと思っていました。なので、社会問題にはそこまで介入しない。
ただ、先日の叱られ続ける子どもの姿を見て、その考えが変わりました。
いろいろと抽象度の高い所から、働きかけてみようと思います。
その方法を模索していこうと思います。
コーチにも、コーチだからこそのアプローチ法があります。
まとめ
・叱れば叱るほど、反省はおろか、ダメな自分という自己イメージが強化されるだけ
・社会の自尊心が低く、それを肯定してしまっている
・日本はこのままではヤバいと感じた
・介入が必要 コーチもその役割を担う
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