今回取り扱う内容は心の書き換えです。
※専門的にいうと『内部表現の書き換え』。
このブログでもメルマガでも何度も扱っている大事な概念です。
これは自分や相手の心の状態を書き換える技術です。
具体的には、ある人にAという出来事が起こった際に、Bという反応を起こすところを、Aが生じたらCに変えてしまうことを言います。
つまり、A=Bを、A=Cに変えることが心の書き換えです。
標題の心の病を取り上げる前に、先日私の身近な例で起きた出来事を紹介します。
私は外国の経済新聞をオンラインで定期購読していました。
余談ですが外国の新聞が瞬時に読めるなんて、つくづく凄い時代です。
オンラインサービスが始まるまでは郵便で送ってもらうか、近くて大阪まで買いに行かなければなりませんでした。
それゆえその新聞は名前は聞いたことがあるけど、実際は日本の田舎では読めない新聞でした。それが今は家で読めます。しかも日本語で。
でもオンライン版は記事の更新が早くて、なかなか読む時間が捻出できませんでした。
そのために購読停止をするために新聞取扱店に電話しました。
電話で応対してくれた男性は日本人で日本語の対応でしたが、さすが高級紙といったところで、とても丁寧な対応をされるお方でした。
多忙を理由に理を入れた最後に、『今なら一か月無料にしますよ』と提案されました。
この時に一瞬『無料ならあと一か月だけ購読を続けてもいいかな』と思いました。
この『いいかな』が心の書き換えに繋がります。
当初のもくろみは購読中止でしたが、しかし一瞬心がゆらいで購読継続にしてもいいかなと思ったのです。
購読中止のために電話をしたのが、購読継続を続ければ全く違った結果になりますよね。
ただ、私の心は『ああ、そうくるわけね』と相手の意図に気が付けました。同時にこのまま一か月たっても結局は読まずに同じことの繰り返しだろうと推論できました。
これらのことは電話の相手よりも高い視点を見れたから気が付けたのです。
もしこれが相手と同じレベルの視点では、まんまと罠(トラップ)に掛っていたことでしょう。そしてなんだかんだ言って相手の話術にハマって無駄なお金を使っていたことでしょう。
電話を掛けるという行為がAで、断るのがBだとしたら、それが購読を続けるCに書き換わっていた可能性があったのです。
A=BがA=Cになっていますよね
さて、前置きが長くなりましたがここからが本題です。
このブログは女性向けの発信です。
そんな中、心の病の中でも摂食障害に苦しむ女性からのお問い合わせもあります。もしかしたら、読者の中にも摂食障害で苦しむ方がいらっしゃるかもしれません。
こういった方にこそ心の書き換えが役立つと考えます。
摂食障害で苦しむ方は何か嫌な場面に遭遇したら、瞬時に過去の嫌な記憶を思い出す。次に、そこから生じた不安を鎮めるために過剰な食事に走ってしまうようです。その後吐いて元に戻そうとします。
このことに罪悪感を抱えて、自己評価を下げてしまっているようです。
この場合、嫌な出来事がAです。それに嫌な記憶を思い出して、過食に走る反応などがBです。
でも、この反応Aを思い出したら、別の反応、例えば、未来の楽しい記憶やゴールからみた理想の今あるべき姿を思い出すことに繋ぎ変われば、胃袋を調節するための時間は掛るでしょうが、基本的にもう食べる必要が無くなるはでしょう。
嫌な記憶(トラウマ)は引っ張り出さなくすればいいのです。
もっと詳細に説明すると、嫌な場面に遭遇→瞬時に過去の嫌な記憶(トラウマ)を思い出す→鎮めるために過剰な食事に走る、この一連の流れをブリーフシステムと呼びます。
そして、このブリーフシステムを変えることに成功すれば摂食障害も良くなるのではないかと考えます。
もっと言うと心なんてありません。『えっ、今まで散々心、ココロや心と書いてきたのに、ダマしたわね』と狐に包まれた感じを受けるかも知れません。
今まで心と言ってきたのは、ブリーフシステムに代表される脳内情報処理のことを便宜上、心と書いてきました。
まあもっともコーチングの本や他のコーチの記事には既にこのことが書いてあるので、既に見破られていたかも知れませんが。
したがいまして、摂食障害は心の病というよりは、それを引き起こすブリーフシステムが原因で引き起こされると捉えます。
では、そのブリーフシステムを書き換えるには、そのためにはどうしたら良いでしょうか?
その中の一つは大きなゴールを描いて、そこからみた今あるべき姿の臨場感を高めること。
詳細な理由は割愛しますが、ブリーフシステムには階層があるので、大きなゴールに関連するブリーフシステムが、下位の摂食障害を引き起こすブリーフシステムを包んで変えてしまいます。
ポイントはあくまでも未来からアプローチすること。
間違っても過去の嫌な記憶を思い出して、その解釈を変えることではありません。
昔は過去にアプローチする療法が流行ったようですが、脳科学が進んだ現代では効果があるどころか、ますますトラウマに縛られてしまうおそれがあります。
では、なぜそんなことが可能となるのか?
それは摂食障害のメカニズムで書いたように、起点Aは過去の嫌な記憶です。記憶とは脳内情報です。
情報であれば、パソコンのように未来から上書き保存で書き換えが可能です。
一方で、過去の嫌な出来事を鮮明に思い出すたびに、同じ記憶を永遠に上書きするループにハマってしまいます。
このブログでもおなじみのホメオスタシス君がその方向で頑張ってしまいます。
もっともこの書き換えを効果的に行うにはもう一つ重要な概念があります。
それが愛。
ときに愛は強固なブリーフシステム(内部表現)すら書き換えてしまいます。
この話は長くなるので、また別の機会に書きます。
最後になりますが、愛とゴール設定、これが心の病を改善していく鍵となるのです。