前回のブログで『何をいったのか?』よりも『誰にいわれたのか?』の方が重要だと書きました。
このことについて、私はコロナ禍でからだを張った実験をしてみました(笑)。
それは地元で、初めての人に会うときの自己紹介を工夫することでした。
都会ではコーチングは、一般的に受け入れられているようですが、地方ではまだまだです。
コーチと言えば野球やサッカーのコーチのことだと思われます。
なので、コーチやコーチングについて、いちいち説明するのは面倒だったので、地元で人と会うときに、
自分の肩書を、
『住所不定、職業不詳、活動内容情報操作全般』
と説明していました。
服装はシャツにGパンという、ラフないでたちです。
返ってきた反応は怪しい人でした(笑)。
ひとたび、他人から怪しい人認定されると、その後、私がその人に、どんなに素晴らしいことを喋っても届きませんでした。
こいつは怪しいやつだという認識が、相手の脳内フィルターをオンにしてしまうからです。
実のところ、私は情報操作全般とうたうくらいなので、毎日欠かさず日本のみならず外国のメディアをウオッチして、国際情勢を分析しています。
その分析をもとに、自分の意見をのべても、怪しい素人の与太話ということで一貫の終わりでした。
相手の脳内フィルターが、ネガティブな方向にオンしてしまうと、その人に何を言っても、怪しいとみなされます。
ところが、
ある日、別の会合でスーツを着て、法律系の資格のバッジをつけて、以下のように自己紹介をしました。
『趣味は英字新聞の記事を書くことです』と(日本語で)。
すると、
『法律に関することがご専門で、英文記事が書けるならば、某大手英字新聞で記事が書けるのではないですか?知り合いの記者を紹介しましょうか』
という、180°違う反応が返ってきました。
硬い仕事で、かつ英語ができる=信用できる人という謎の公式があてはまったみたいでした。
驚いたことに、私のことを怪しい人と思っていた人からは、『イヤー斎藤さんは実はスゴイ人だったんですね』という、全く逆の印象をいだかれました。
その人に上に書いたとおりの国際情勢をレクチャーしたら、話を聞いてもらえました(笑)。
『はい。先生が言うことなので間違いありません』と・・・。
(おい!)というのが、正直なところですが、
しかし相手の脳内フィルターが(私に対して)ポジティブな方向にオンをすると、今度はネガティブとは真逆に、話が届きます。
さて、ここで話をまとめると、
怪しい斎藤が話した内容は、どんなに的を射たことでも、『価値のない情報』とあつわれて周囲に理解してもらえません。
一方で、先生である斎藤が話した内容は、『仰せのとおりです』と問答無用で正しいとみなされます。
こういったことが起るのは、
人間の『ものの見方や考え方』が、けっこういい加減だからです。
ほんの少し、相手に与える情報を操作するだけで、その人の認識している世界、つまり現実感が書き換わります。
相手からポジティブな印象をいだかられば、『坊主憎けりゃ袈裟まで憎い』の反対で、こちらのイイタイコトは伝わります。
冒頭の『何を言ったのか?』よりも『誰に言われたのか?』という現象がおこるのも、人間の認識が、この程度にいい加減なためです。