私たちは言葉を操る。
そして言葉は概念をつくる。
この概念に対して人間の生体に備わるホメオスタシスがフィードバックを取りまるであたかも存在するような感覚を覚える。
例えば、森と林。
この言葉に役所の作った定義や、一般的な通説などいろいろとあるが、何となくのイメージが浮んでくるだろう。
人間は進化の過程でハッキリと目に見えない概念にも臨場感を覚えるようになった。
そして問題は、は不要な概念にわざわざ縛られるということだ。
『メンタルブロック』
何かの対象に関して、心理的な抑制として用いられる。
メンタルブロックという言葉が概念を生み、そこにホメオスタシスフィードバックを取る。
するとその世界にリアルを感じる。
難しく説明すると、その人の脳の情報処理過程に『メンタルブロック』という情報を書き込むのである。
幽霊も同じである。幽霊は実在しない、エントロピーの法則から鑑みてもいないハズだけど、幽霊という概念を、その人の脳内情報処理過程に埋め込めば、その人の世界の中で存在するようになる。
そして日常の生活や行動が幽霊や祟りに縛られてしまう。
同じようにメンタルブロックという言葉に自らが縛られ、その対象に自己イメージが縛られるということだ。
だから苦手意識が生じる。
ここで思い出してもらいたいのはナチ宣伝省 ヨゼフ・ゲッペルスの以下の言葉だ。
人びとの心理を理解し、また十分に反復しさえすれば、四角が本当は円であることを証明することは不可能ではない。結局、円や四角は何なのか。それは単に言葉であり、言葉というのは偽装した概念をそれに纏わせるようにしてつくり上げることができるのである。
ちなみに、コーチングではコンフォートゾーン(空間)と言う概念を生み出し、そのゾーンをズラすという概念(情報)操作が取られている。
さて、仕掛ける方は言葉が概念を生み出し、人々はそれに本能的に縛られてしまうことを知っている。
例えば、メディアは言葉を張り付けることにより、人々の思考、感情、行動を制御する。
(第三者の一方的な利益のために)『認知レベルを含む脳内情報処理に、何らかの介入的な操作を加えることで、その人の思考、感情、行動を思うままに制御すること』を洗脳という。
苫米地英人 『洗脳護身術』三才ムックス。
非モテという言葉がある。
モテない、とくに男子のことを指すらしい。
まず非モテは、何年間彼女がいなくて、バレンタインにもチョコがなくのような定義をつくる。
この際、明確な定義はなくても何となく非モテという空気感を漂わせるだけで良いかもしれない。
そして、メディアは、これらに当てはまる男性が臨場感を覚えるように流行らせる。
流行らせてしまえば、それが一般的な概念となり、他人との間でも共有される。
ますますその空間における非モテの臨場感が増す、まさに言霊である。
そして、この定義に当てはまった男子は、その言葉に臨場感を覚えて自分は非モテなんだという自己イメージを抱いてしまう。ますます非モテとしての思考、感情、行動を制御されてしまうのである。
本当はモテたい男子だったかもしれないのに、いつの間にか別の価値観に挿げ替えられてしまっている。
思考、感情、行動を制御れているので本人の意図とは望まない人生を歩まされてしまうことだろう。
良く考えれば、他人がつくった価値観に活かされることは馬鹿みたいな話だが、そう簡単に見破れないように工夫されている。
これは言葉を操れば、他人の思想を容易に操作できるということ示唆する。
言葉狩りや検閲の目的は、自分たちの都合の良いように人々の頭の中(情報空間)を占領して価値観を作為的につくり変えることである。
戦後に占領軍が実施したWGIP(War Guild Information Program 日本人に戦争への贖罪意識を刷り込むプログラム)はその代表例である。
よって、日本国家は戦前と戦後で全く価値観が別の国になった。
取りとめのない話を書いてきたが、本日ラジオを聞いているだけで、いろいろな仕掛けが施されているのに気が付いた。
放送作家は上手いこと計算しているなと痛感した。
だけどほとんどの人はその放送(言葉)の背後に裏があることすら意識に上がらないだろう。上手にスコトーマ(心理的盲点)に隠れるように上手に埋め込むのである。
大統領のスピーチライターや国会の答弁や法律案をつくる官僚も然りである。
このように他人からの仕掛けを見破るには抽象度を高くしていく必要がある。
他人の価値観から外れた、心からの自由やwant toは表装された言葉の下にあるのだろう。