※メルマガ記事加筆修正
鳥取県の港で取れたカニに、一匹500万円の値がつきました。
ちなみに、昨年は200万円だったそうです。一年間で実に2倍以上、値上がりしています。
このご時世、とても景気の良い話ですね。
とはいえ、200万円のカニと500万円のカニの身に300万円分の付加価値があるのでしょうか?
昔は私の地元ではカニとは只でもらうものでした。このカニと今回の500万円のカニの身との間に、物理的にどのような差があるというのでしょうか。
おそらく、そんなに差はないでしょう。
では、何が500万円の差を生み出しているのか?
それはブランドです。
もっと突き詰めていけば情報です。
物理的なカニの甲羅や身ではなく、カニそのものに付随する情報が書き換えられています。
※本当は情報の表れとして、カニが現出しているのですが、今回は話を分かりやすくするためにカニに付随する情報とします。
500万円のカニの名前は五輝星。
では、誰がそのネーミングをつけたのでしょうか?
それはカニを捕る人間です。
カニの生物学的な名前はズワイガニであり、それが境港の沖合で捕まれば松葉カニ、鳥取港で水揚げされれば五輝星、福井の沖合であれば越前カニと呼ばれます。
でも、カニ自身にとっては、『知ったこっちゃねぇ、そんなの関係ねぇ』と思っていることでしょう。
潮に流されたり、岩場に隠れてみたり、自由気ままなカニ道楽のハズです。
百歩譲って、牛のように人間が手間暇をかけて、餌を選ぶなどして、飼育するのならまだしも、カニは単に捕るだけ
※とはいえ、大変な仕事です
しかし、一たび捕られる場所が違うだけで、名前はおろか、値段までもが違ってきます。何せ500万円ですかね。
中学校の社会科で、市場の需要と供給によって、その均衡点で価格が決まると教わりました。
ネット通販という市場からみると、おそらくカニ一匹の値段は2~5万円くらいが妥当なようです。
また繰り返しになりますが、昔は地元ではカニは本当に買うのではなくて、もらうものでした。
理由は圧倒的に需要量が大きかったからです。
ある食堂の前には『形が悪いカニをして(ご自由にお持ち帰りください)』と書いてあった記憶があります。
もう一つ、マルクス経済学という考え方があります。
カニの値段を決めるのに必要なのは、当然ですが、ある人がカニを食べるという目的です。
当たり前ですが、カニを食べるという目的がなければ、買う人はいませんよね。
もう一つは、カニを取るために費やした労力です。カニの漁はキケンが伴う、大変な作業です。年収も軽く一千万円は超えます。
※マルクス経済について
余談ですが、かつて地元にはカニ船団がありました。中学を出て5年カニ船に乗れば家が建つと言われたそうです。
『漁師さんは中学を卒業後、もしくは水産高校を出てから、カニ船に乗って、20代そこそこで立派な御殿を立てていた』そうです。
話を戻すと、マルクス経済の考え方を応用して、百歩譲ってカニ一匹が200万円と仮定しても、翌年500万円になるのはやり過ぎ(笑)です。
けれど、実際に2018年に一匹200万円→500万円にグレードアップしています。
この正体を探っていきましょう。
そしてカニの値段とコーチングとの関係は一体何なんでしょか?
つづく