・自信を持つことができない
・もっとも自信を持つことができたら
・あの人はいつも自信満々で羨ましい
このように自信が持てないことに悩んでいる女性は多いようです。
なぜ女性は自信を持つことができないのか?
これをテーマにした本を巷でたくさん見かけます。
・男性と女性のホルモンの違いに焦点をあてたもの
・男性脳と女性脳に分けたもの
・はたまた文化的な役割、ジェンダーに焦点をあてたもの
・遺伝子の違いに原因があるとしたもの
・母親からの過干渉に焦点をあてたもの
いろいろな切り口から女性が自信を持てない理由が語られています
私も、おそらくは女性のコーチよりも多く文献を調べたり、実際に自信を持てない女性たちにインタビューしたりしてきました。
もちろん、それを打ち破るためのコーチングも。
そんな中で、一つの仮説にたどり着きました。
それは言葉による束縛です。
言葉による束縛とは、このブログでは『悪い魔法』と称してきました。
実のところ、言葉によって、あなたの思考、感情、行動が、あなたの望まない方向にコントロールされています。
あなたが望まないことに、あなたの心が支配されることを『洗脳』と言います。
洗脳と書くと、そんな大げさな、私は普通に暮らしているだけで、誰からも洗脳なんて受けていないとドン引きするに違いありません。
そう思わせるところが洗脳が洗脳たるゆえんです。
さて、先ほど私は言葉による洗脳と書きました。
この意味をもう少し深堀してみましょう。
一般的に、私たちは、自分で自分のことをイメージする姿に基づいて日常生活を送ります。
この自分で自分のことをイメージする姿のことを自己イメージと呼びます。
さらにこの自己イメージは、『他人の目に映る私は、あの人からこう思われているに違いない』という確信や信念から生み出されます。
そして、実はこの確信や信念こそが他人からの言葉からつくられるのです。
この信念や確信のことを『ブリーフシステム』と呼びます。
私たちが生まれたばかりの頃は、脳はまっさらな状態です。
試しに、『韓国の人々と仲が悪くなっているようだけど、どうしたらいいかな?』と聞いてみてください。
きっと『仲良く遊びに誘えばいいよ』と人として純粋な言葉が返ってくるでしょう。
しかし、成長するにつれ言葉を学んで、とりわけ昨今のメディアに触れることで『韓国はけしからん!』『もう国交断絶だ!』『無視!』みたいな声を耳にしだしたり、目にしたりするようになります。
とくに身近な親がそのように言えば、子どもの考えも染まっていきます。
こうやって他人の言葉を受け入れるようになってから嫌韓な方向に『ブリーフシステム』形作られます。
とはいえ、本当にその情報を受けた人が、心から望んで韓国が嫌いになるとは思えません。
繰り返しますが、自分が心から望まない方向に向かわせられることを洗脳といいます。
一方で、韓流ドラマを見ることに勤しんでいるおばさんは韓国に好意的です。
それは2000年代後半に韓流ドラマが沢山日本で放映されたからです。
ドラマは当たり前ですが映像が使われます。この映像もブリーフシステムの強烈な素地となります。
また、映像はいろいろな概念を映し出します。
車、ワイン、宮廷料理、韓流スター、恋などの概念です。
でも、よく考えてみると、これらの概念も、言葉が付随、否、むしろ逆で、言葉が概念を想起させていることに気がつきます。
ゆえに、やはり言葉が重要な位置を占めます。
では、韓流ドラマが、どれくらい強烈だったかというと?
そもそも、おばさん方が若い頃には、韓国のことなんて意識していなかったに違いありません。
むしろ、今では韓国は家電大国ですが、おばさんが若い頃にMade in Koreaの家電製品をプレゼントしようものなら、馬鹿にしているのか?とキレられたに違いありません。
また、今でこそ、韓国人の日常生活と日本人の日常生活はほぼなくなっています。
しかし、昔の韓国は今よりも発展途上にありました。
それゆえ韓国の人には申し訳ないですが、多くの日本人にとっては別に関心のない国でした。
おばさん方の若良い頃もご多分に漏れずです。
それが韓国も力をつけて映画やドラマの分野で日本に参入して注目を集めるようになります。
注目を集めるとなれば、テレビのワイドショーなどの恰好なネタになります。
ワイドショーから発信される、韓流ドラマや俳優についての映像やそれを語るコメンテーターの好意的な言葉が影響を持つようになります。
さらにはドラマは、いわゆるドロドロした恋愛ものが多いです。
これはおばさん方が若い頃に覚えて、今はすっかり忘れてしまったトキメキという感情を呼び起こします。
とくにセリフという言葉から感情を引き出されます。
感情もブリーフシステムの構築においては大事な要素になります。
言葉、映像、感情のこの三つの要素がブリーフシステムになります。
要するに、韓流ドラマは『言葉、映像、感情』を巧みに操りながら、日本のおばさん方のブリーフシステムを書き換えて、今までは興味がなかった隣国から、韓流スターが暮らす憧れの国にその認識がすり替わったことの典型です。
もちろん、これもおばさん方が本来は望まずに、しかしいつの間にか韓国に金を支払っているとなると洗脳です。
また、その一方でそのおばさんが、せんべいを片手に、ワイドショーの韓国に関する報道を毎日見ていれば、ブリーフシステムが書き換えられて次第に嫌韓に向かっていくことでしょう。
そして、復習になりますが、このブリーフシステムの大きな要素を占めるのが、元を正せば言葉に行きつきます。
さらに良く考えてください。
その言葉は自然派生的に覚えたのでしょうか?
違いますよね。
親に教わったり、学校で先生に教わったりしましたよね。
これが意味するところは、私たちは他人の言葉を取り入れて、自分のブリーフシステムを形成しているということです。
ブリーフシステムも他人の言葉です。そして、そのブリーフシステムが織り成す、自己イメージに沿って私たちは日常生活を送ります。
ここで『あなたは他人の言葉で出来ているという真実』に気がつきます。
どうでしょう、ここまでくれば『なぜ自信が持てないのか』分かりましたよね?
それはあなたが自分の言葉ではなく、他人が意図した言葉やそれがつくる概念、自己イメージに則って動く『操り人形』だからです。
自分が心から望む生き方ではなく、他人から示されたお手本に向かうように仕組まれているからです。
これは世界史で習った宗主国と植民地の関係に似ています。
宗主国とは植民地の富を搾取して自国の利益のために活用する国のことです。
あなたにとっての宗主国はお母さんであり、社会でしょう。
植民地は宗主国に搾取される関係にあります。
ここでポイントが一つ。
植民地が宗主国を超えることはありません。常に宗主国より低い操り人形でいてもらわないと困ります。
宗主国にとって、
『今日からあなたの植民を辞めます。つきましては、以後独立国として台頭に外交関係を結びたい』
などと言われたらたまったものではありません。美味しい汁が吸えなくなります。
植民地がいつも自信を無くして、不安に貶めて、いつでも宗主国の言うことを聞いてくれる存在でなければならないのです。
そのためには、永久に自信を欠乏させて、さらには意図的に知識を与えずに独立などという選択肢が認識に上がらないように洗脳することです。
はい。この比喩から、なぜあなたが自信を持てないようになっているのか推測ができますよね。
あなたが自信を持てないもの同じく、お母さん(の無意識)や社会、(もしかしたら友達も)という宗主国から、意図的にそうなるように洗脳されてきたからなのです。
でも、ご安心ください。
この言葉により洗脳のカラクリに気がつくことがあなたが自信を持つことへの大きな第一歩となるのです。