『ビジュアライゼーション2.0』 一歩先ゆく、未来記憶のつくりかた

2016-04-22

ビジュアライゼーション
先日東京セミナーでの質問において、ビジュアライゼーションと音との関連について質問されました。

 

ビジュアライゼーションとは、ゴール側の世界をイメージする方法です。ポイントは自分の目線から見た視界です。つまり、普段と同じ目線から見た世界です。

 

私は夜寝る前にビジュアライゼーションをおこなっています。

 

この時のテクニックの一つが、これに音楽を結び付けることです。

 

20××年 呉 護衛艦○○艦上にて
私の過去の体験を説明します。

 

かつて記事にも書きましたが、中高生の頃に、将来とてつもなく自衛隊の船(護衛艦)に乗りたいと思ったことがあります。

 

ある日、私は艦橋(船を操縦するところ)に詰めて双眼鏡を握っている。

 

『出港用意!』の号令とラッパの音で、もやい(ロープ)が放たれ船は岸壁から離れていく。反対に目をやると曳船(小さな船)が私の乗る船を引っ張っていく。

 

後ろから音楽隊の奏でる『軍艦行進曲』という曲が微かに聴こえました。余談ですが、この曲はかつては何故かパチンコ屋で使われていました。

 

海から感じる風と、潮の香り、うねりなどが鮮明にイメージ出来ました。

 

双眼鏡の感触、足に伝わるエンジンの振動も感じられることが出来きました。

 

無線交信もリアルに聴こえてきます。

 

先にあげた『軍艦行進曲』が聴こえると自動的に20××年、広島県呉市にタイムスリップしていたのです(実際に別の形で、呉に住んでいたことがあります)。

 

この時はビジュアラーゼーションということを知りませんでしたが、なんだか誇らしくなる感じを覚えていたので無意識に行っていました。

 

この時の映像は、中学生の頃の体験航海(一般の人でも乗れる)に参加した時の記憶から引っ張り出しました。

 

あとは、私の体感や感情を用いて記憶を合成していたのです。

 

実際に、大学を卒業した私は、まるでその世界に吸い込まれるかのように、それに近い仕事に就いていました。
※海上自衛隊は目が悪かったからは入れませんでした。

振り返ってみると、この方法による効果はかなりあったと体感します。

 

ビジュアライゼーションのコツは、記憶の合成です。過去の映像を引っ張り出して、それに自分から見た理想の世界を合成していく。

 

そこに音や匂い感情も乗せていきます。そうすれば臨場感が増します。

 

 

201×年 広島マツダスタジアムにて
例えば、将来広島カープでプロ野球選手になりたい高校生がいたら、実際に何らかの方法でマツダスタジアムのグランドに入って、そこから見える景色を覚えておく。

 

あとはレプリカでも良いのでユニフォームに袖を通して、この時の気持ちも覚えていく。ボールも握っておく。

 

スタンドから聞こえる声援やベンチから聞こえる指示。

相手から聞こえるヤジ、まで正確に再現出来れば良いでしょう。

 

最後に、自分が登場する時のテーマ曲を決めて、その曲を聴くだけで一瞬でマツダスタジアム立つ自分を感じられれば良いです。

 

 

音楽と記憶の関連について述べます。例えば、ある音楽を聴いて昔の記憶が蘇った経験があろうかと思います。下の引用はアイスクリーム屋を事例に出しています。

 

子どもの頃に聞いたアイスクリーム移動販売車の音。なつかしい音色を久しぶりに聴くと、脳の中では感情、自意識、運動などをコントロールする部位が活性化し、子どもの頃の記憶がよみがえる。「遠い過去の記憶がよみがえった瞬間、こうした脳の部位にスイッチが入るのです」とカリフォルニア大学デービス校の神経学者ペートル・ジャナタ教授は解説する。「アイスクリームの移動販売車が奏でるマザーグースの曲『ポップ・ゴーズ・ザ・ウイーゼル(イタチが飛び出した)』やその他の定番曲が頭の中にこびりついていると、ほんの少しメロディーを聞いただけで脳が目覚め、心象風景が浮かぶのです。我々の研究では、なじみのある歌ほど、脳の運動前夜が活発になることが判明しています」。

ジョエル・ベッカーマン (著), タイラー・グレイ (著), 福山 良広 (翻訳)『なぜ、あの「音」を聞くと買いたくなるのか―サウンド・マーケティング戦略』東洋経済新報社 P80-81。

 

未来記憶をつくる

私にとっての定番曲が海上自衛隊の公式行進曲である『軍艦行進曲』でした。だから、この曲が引き金となり過去の記憶に、未来の記憶を合成した記憶、つまりゴール側の世界が拡がっていったのです。

 

もう一度説明します。ある音楽を聴くと過去の記憶がよみがえります。その記憶は映像や音、匂いから成り、強い感情もあろうかと思います。

 

この記憶をゴール側の世界に結びつけて、未来記憶を合成するように練習します。

 

慣れてくると一発で、ある曲を聴いたとたんに未来の記憶が再現できるようになります。

こうなってくればしめたもので、リハーサルを重ねれば重ねるほど、鮮明になります。

 

あとは、脳がゴール側が正しい世界だと認識して、現実を合わせようと画策します。

 

I×V=R 想像×鮮明×現実 の通りです。

 

 

このテクニックはかなり使えるのでぜひ試してみてください。

 

 

まとめ
・中高生の頃に、無意識のうちにビジュアラーゼーションをおこなっていた

・音は記憶を蘇らせる。この記憶に未来を合成させる

・ある曲と未来記憶が結びつくようになるまで練習

・寝る前に練習すると良い

 

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