テレビは自己評価を下げるか?


コーチングの技術や理論について学ぶときに、それと並行して洗脳についての知識も増えます。

たまたま数分、テレビが付いている現場に居合わせました。

正月ということもあり、いろいろなテレビ番組が放映されています。

そんな中、テレビが常識を形成しているなと痛感させられました。

世の中の物差しはテレビが作っていて、それを多くの人々が共有しています。

(筆者注:テレビをはじめとする)マスメディアが描き出す世界の絵は、なぜそれほど説得的なのだろうか。その理由の一つは、示されている絵についてわれわれが疑問を呈することはまずない、ということである。
たとえば、「いろいろなニュースがあるなかで、なぜ、このニュースが流されるのか」とか、『警察は本当にこういう捜査をしたのだろうか』とか、『世の中本当にこれほど暴力や犯罪に支配されているだろうか』などと自問することはめったにない。テレビがわれわれの家に運んでくる絵は、現実を映し出したものとして、当然のこととして受け入れられてしまうことが多いのである。
アンソニー プラトカニス (著), エリオット アロンソン (著), 社会行動研究会 (翻訳)『プロパガンダ―広告・政治宣伝のからくりを見抜く』P64。

テレビは情に訴え、人々を情動優位にする点である。情動優位とは、要するに論理でとらえずに情でとらえる―脳の仕組みでいえば前頭前野でとらえず、扁桃体で処理する―ため、安易に流されやすいのだ。
苫米地英人著『苫米地英人の金持ち脳 ~捨てることから幸せは始まる』徳間書店P149。

簡単に言えば、常識や判断基準はテレビによって先導され、人々はそれに追従してしまうということです。

ここで皆さんも抽象度を上げて、テレビを観る側から、仕掛ける側の視点を持ってください。

テレビの特性を活かせば、人々を洗脳するなんてお茶の子さいさいだと思えていませんか。

自分が仕掛ける側であれば、

1『そうだ、皆がいうことを聞くように、幸せの価値観を一つにしてやれ!』

2『価値観から外れた人は、勝手に自己評価が下がって、不安感に苛まされさらにコントロールしやすくなる』

3『価値観を一つにして、狭い国土で人口密集の高い日本であれば、自然に伝播するから、人々の頭上あたりからこちらの都合の良い情報を流してやれ』

と思いつきます。
※これはホメオスタシス同調の原理で説明できます。

ホメオスタシス同調が働くには、身体レベルのホメオスタシスが情報空間に拡大しているため、個人間の物理的距離が短ければ、短いほど、一緒にいる時間が長ければ長いほどいい、日本のような人口密度の高い国は、(筆者注ホメオスタシス同調で)何もしなくても皆が同じ思考パターンをもつようになる。以心伝心とかハラゲイといった文化は、人口密度が高い国ならではの現象だ。 
苫米地英人著 『洗脳護身術』三才ブックスP228。

なお、詳細は後述しましが、この伝播を早めるためには、暗いニュースや景気の低迷などの情報で、あえて不安や恐怖を煽って、人々の被暗示性が高まった時がポイントです。

私なら上記の1-3段階のステップを踏みます。

また定職についていない、いい年をして結婚をしていないなど、それに該当する人がテレビを観た際に、暗に社会的に問題ありと認識して、自己評価を下げて、いうことを聞きやすくなってくれればされに好都合です。

なお、定職についていない、結婚していないは誰にとって好都合なのでしょうか?

本当に個人の幸せに繋がるのでしょうか?

今の日本の国力であれば、定職につかなくても餓死することはありません。むしろ、地方では人手不足でスーパーの定年が延長したり、閉店に追い込まれたりしています。

都会にいればスコトーマで見えないかもしれませんが、人工知能の話を置いておくと、少子高齢化が進めば人手不足はより深刻になっていくでしょう。人が不足しているところに人が訪れたら普通は喜ばれるでしょう。

また憲法第25条で、生存権として、文化的で最低限度の生活を営む権利を有すると明記されています。

中学、高校、大学、公務員の試験でも必ず出てくる。それくらい重要な概念です。

結婚も制度に囚われずに、パートナーと楽しく暮らしている人もいます。

老後が不安といった声を聞きますが、老後にシェアハウスに住む人もいるだろうし、それこそ人工知能が相手をしてくれるだろうから、そこまで深刻になる必要があるかどうかも疑問です。

それよりも、人々が定職についてくれて税収が上がれば嬉しい人、子どもが増えてその分税収が増えて嬉しい人に都合が良いのではないでしょうか。

そう言った人々は、私が企んだような価値観を常識として流布するでしょう。

このようなことを書くと、お前が洗脳されていると思われるかもしれません。

確かに、その面は否めません。それまでの常識・価値観からの外れる脱洗脳はある意味洗脳です。
現在は、テレビによる視覚幻想が強すぎます。テレビの作り出す破壊的な臨場感が、視聴者をどんどん洗脳していきます。
(・・・中略・・・)
テレビによる洗脳は、日本に限ったことではありまえん。アメリカも顕著です。テレビのおかげで、ブッシュはイラク戦争を推し進めることができました。政府がテレビ局をコントロールできたことで、アメリカ国民の義憤を促し、戦争突入への世論を形成したのです。当時のアメリカの正義は、間違いなくアメリカを制圧することだったのです。それもすべてテレビのおかげと言えます。
そう考えれば、アメリカのテレビ戦略は、中国や北朝鮮の国営放送と本質的には変わりません。ただ、指し示している方向が違うだけです。
苫米地英人著 『幻想と覚醒』21世紀の真のサトリ P115-116。

しかし、そのように言及してくる人々は、自分たちが洗脳されているとは気が付きません。

テレビで北朝鮮や中国の人々の生活ぶりを見て、洗脳されて気の毒だと思うけど、見ている本人はどうなの?

と言うのが本音です。

テレビ番組は必ず何らかの意図を持ってつくられています。

上の例ではアメリカについて書かれていますが、日本の場合も同じでしょう。昨年初めにあった芸能人の不倫騒動や某有名アイドルグループの解散問題が社会問題になりました。

だけど冷静に考えてみてください。大方の人にはどうでも良い話ではありませんでしたか。
芸能人が不倫して、自分の人生に悪影響が出たとか、アイドルグループが解散したおかげでノイローゼになった人はいるのでしょうか。

いたとしたらそれはそれで大変ですが・・・。

どうでもいい話だけど、テレビで取り上げられ、それを週刊誌やスポーツ新聞などのメディアが後追いして不安定な世論を形成する。

この不安定な世論するということがポイントです。

人間は不安定な時に、必死になって安定を求めるものです。

コーチングにおいても、クライアントさんのそれまでの価値観を壊して、その隙にゴール側のイメージを強烈に書き込みます。

結果、勝手にゴール側の臨場感と統合されるので、勝手にゴールに向かって走り出します。

なお、人間は不安定な時に、希望が見えるとそれが例えニセモノでも、無批判に信じてしまうのです。

では、大概の人々が不安に駆られている時に、このタイミングで増税を仕掛ければ受け入れやすいでしょう。

最新式の兵器と思えるアメリカでは型落ちの兵器を自衛隊に採用すれば、北朝鮮、中国の脅威から国土を護れると発表すれば、きっと正式採用されるでしょう。

このように、あえて人々の心を思いっきり揺らがしたときに、背後で私たちの生き方にかかわる重要な施策や方針が隠密裏に決められているのではないのでしょうか。

操る方が一枚も二枚も上手です。

また、多くの人は、上にあげた不安定な世論の中で生かされています。世論が強化されるとやがて常識になると私は考えます。

物理的な壁がないから閉じ込められていることには気が付きませんが、心理的な壁には囚われています。

ともすると、本来は人間はあなたが思うよりも、はるかに能力が高いけれども、見えない壁に自己の能力を制限されています。

先日の記事でも書きましたが、人間は本来は凄いのです。

さて、上にも引用したとおり、テレビの洗脳手法は極めて強烈です。テレビを見ているだけで、無意識に強烈にメッセージが伝わってしまいます。

例えば、芸人がいじられるなどの、明らかに自己評価を下げるようなシーンを目撃しただけで、見ている方の情動も喚起されて、自己評価が低下してしまわないでしょうか。

自分が経験していないけど、人が経験した場面を見て、同時に発火してしますミラーミューロンの作用を鑑みればありそうです。

それが直接でなくても、原因がいじられるシーンを子どもが真似をして、いじめられた発生するという事態も起こります。

いじめは自己評価を思いっ切り下げる。そもそも自己評価が低い人間がいじめを行ない、その低い自己評価に他人を合わせようとします。

また、テレビにより自己評価が下がる功罪として貧乏になります。かつて、お金の悩みを解決するためにはテレビを見ない、広告雑誌を読まないと教えられて事があります。

自己評価が下がった人間は、簡単に説明すると人の意見を無批判に受け入れやすい状態にあります。

自信がなく不安な状態で、テレビでそれこそ、『自信ありげに、これを買えばあなたも勝ち組です』と言い切られて購買後の理想の映像を見せられれば、ホイホイと従ってしまいます。

このために本来は不要であるにも関わらずに買わされてしまうのです。

現代は物質には溢れています。大概のものは何でも揃えています。

しかし、生産する側は、それもで買ってもらわないと困るわけで、依頼を受けた広告代理店は、いかにして本当は必要のない物でも、あたかも必要な物として買わせるのか日夜研究に費やしています。

その中で一番効果があり、影響力がある媒体が映像を伴うテレビです。

広告やテレビ番組のなかには、意図的に視聴者が登場人物に対して劣等感を抱いたり、他の商品や人物に欠点があるように思わせたりするものも多い。
たとえば、魅力的な女性モデルを起用した香水の広告を見ると、本人の容姿への満足度が低下する。ある研究では、セクシーな女性が登場する『チャーリーズエンジェル』を観た男性は、観る前に比べてお見合いに関心がないと答えている。
そのようなテレビによって作り上げられる不安感や自信の喪失を利用して、「攻撃と救助」という販売テクニックが用いられて、消費者に辛さを感じさせてから商品購入の救いの手を差し伸べる。
(・・・中略・・・)
社会を正確に描き出しているとはいえないテレビだが、メディアとして広く普及し、説得力も高い。しかし本当に幸せになり、社会から受け入れられ、恋愛で成就するためには、購入と消費を続ける必要があるかという考えを繰り返し訴えかけている。その影響は、テレビを観はじめた瞬間から始まる。
デイビッド・ルイス (著), 武田玲子 (翻訳)『買いたがる脳 なぜ、「それ」を選んでしまうのか? 』日本実業出版P236-247。

人間は心の支配下にある映像に向って進んでいきます。見ている人の映像に、仕掛ける側に都合の良い映像を見せましょうというのが彼らの仕事です。

ちなみに、コーチングでは映像は自分で創りましょうということです。

最後になりますが、本テーマの回答としては、テレビは自己評価を下げると断言できます。

逆に言えば、テレビを見なければ自己評価は上がります。


2017-01-03 | Posted in 社会的証明&洗脳No Comments » 

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