伝説の打撃コーチに学ぶ人を伸ばす方法


私をコーチングの世界に導いてくれた方の一人に高畠導宏という方がいます。この方は、プロ野球の世界で打撃コーチとして30年にわたり活躍し、イチロー、落合など名選手を育てられてきました。プロ野球界では知らない人のいない伝説の打撃コーチです。

(コーチの皆様、今回はコーチとインストラクターの違いついては便宜上説明しませんのでご了承ください)

高畠コーチはなんと、高校野球で監督となり全国制覇をするというぶっ飛んだゴールを掲げられ、59歳で高校教師へ転身、しかし、残念ながらすい臓がんのため志半ばの60歳で亡くならてしまいました。

さて、2008年の1月下旬、私は過労のためか県外の勤め先から松江市の実家に送り返されました。と同時に、すぐに搬送先の病院に連れて行かれで抗うつ剤の点滴を受けるくらいのヤバい状態でした。意識が朦朧として布団からも起き上がれず、このまま一生起き上がれなのではという恐怖に心が支配されていました。なすすべなし。気力が尽きた状態でした。

そんな中、父がたまたま付けたテレビドラマがありました。タイトルは「フルスイング」、高畠さんの人生をモデルにしたドラマでした。実話をもとに59歳の新米高校教師の主人公と多感な高校生がと向き合う素晴らしい作品でした。私はこれ以上のドラマ作品を知りません。このドラマのおかげで※元氣をもらいました。

この作品をもとに高畠導宏という人物に興味を持ち、ドラマの原作となった本「甲子園への遺言 伝説の打撃コーチ高畠導宏の生涯 門田隆将著 講談社」という本を読みました。

氏曰く「コーチの仕事は“教えないこと”だよ」です。多くの打撃コーチが選手にダメ出しをして、バッテイング理論を押し付けていく中、高畠コーチは理論を押し付けず、選手を信じて、誉めて、おだてて伸ばしていく」スタイルを貫かれたそうです。若干29歳で怪我のため現役選手を退いてコーチに就任した時「選手の良いところを見つけて、褒めて、褒めて、褒めまくろうと」誓ったそうです。体育会系の根性論が主流の中で、それに流されずに本当に選手達のことを考えてその姿勢を貫かれたのでしょう。

コーチング理論で言えば、選手の良い部分にロックオンをして、エフィカシーを高めていくということです。
バッターに「高めの球には手を出すな」とアドバイスをすると、高めの球に意識が向いてしまい(ロックオン)、結果通りの失敗をしてしまう。だから、低めの球を狙えとアドバイスをする。

ピッチャーがフォアボールを連発している時に、普通の監督やコーチはストライクを投げろというけど、そこへ投げられないから辛い。だから、ストライクを取ることに囚われている意識を外すために「思い切って腕を振っていこう」とアドバイスをするなど、言葉の重要性をとても理解しておられたそうです。

これらはまさにロックオン・ロックアウトの原理そのものです。

結果、数多くの有名選手を世に輩出したのです。大切なのは、選手を信じて褒める。欠点探しはしないです。肝に命じたいと思います。

実は、この方の指導法が私のコーチングの原点にあります。これが核で、タイスプリンシプルと苫米地式が乗っかっているのです。そういった意味では、私が苫米地式コーチでいるのもこの方のおかげ、縁起が繋がっているからなのです。
どうせなら褒めて他人の能力を伸ばして行きましょうよ。それが周り回って自分に返ってきますから。

最後になりますが、「甲子園への遺言」の著者門田隆将さんから高畠さんへ送られた詩を紹介させて頂きます。

もし私がひとりでも傷心の人のこころをいやすことが出来たら
私が生きていることは無駄ではなくなる
もし私がひとりでも生命の苦しみをやわらげることが出来たら
ひとつでもいたみを軽くし
一羽の駒鳥でも弱りはてているのを
巣にもどしてやることが出来たら
私の生きていることは無駄ではなくなる
エミリー・ディッキンスン

※高畠さんに敬意を込めて、氏が好まれていたこの表記を使用

甲子園への遺言 伝説の打撃コーチ高畠導弘の生涯 門田隆将著 講談社」
http://goo.gl/sBF67m


2015-08-11 | Posted in コーチングComments Closed 

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